先週、高尾に行ってきました。
高尾に住むSさんに、☆アルビレオ☆の1年間の活動の成果を報告するためです。
Sさんは、昨年5月に、高尾山ケーブルカー乗り場前で☆アルビレオ☆の演奏を、偶然通りかかって聴いてくださった女性です。
昨年5月の高尾山「わかば祭り」のステージ上で☆アルビレオ☆が、「被災地への訪問演奏がしたいのです」と話したことを覚えていて、わざわざ☆アルビレオ☆の連絡先を探して、演奏から数日後に励ましの電話をくださったのでした。
「☆アルビレオ☆さんのオリジナル曲は、きっと被災した方々の心に寄り添うものとなるから、自信を持って行ってきてください。応援していますよ。」
Sさんは、東日本大震災で被災し、避難所生活を経て、高尾のご親族の元に身を寄せているとのことでした。
Sさんの一言によって、背中を押してもらったこと。
その後、さらに応援してくれる人が増えて、数カ月後には宮城、岩手で演奏できたこと。
石巻で演奏したオリジナル曲が年末にグランプリを受賞したことなど、
Sさんにご報告して、お礼の気持ちをお伝えしたくて、高尾に向かったのでした。
Sさんは、震災から2年が過ぎ、自宅のある東北にもどろうか、高尾にとどまろうか、
とても悩んでいるご様子でした。
一緒に小川のほとりでせせらぎの音を聴きながら、しばらく腰をおろして、
ほころびかけた桜を眺めました。
そして、どちらからともなく「花」を歌い始め、「春の小川」「赤とんぼ」「夕焼けこやけ」なども一緒にくちずさみました。
Sさんは、「私という名のいのち」「見守っていてね」をいつも聴いてくださっていて、☆アルビレオ☆のオリジナル曲もくちずさんでくださったのです。
春の小川のほとりで、二人で空を見上げながら、何曲も何曲も歌ううちに、なんだか涙があふれてくるのでした。
でもそれは、決して悲しみの涙ではないのです。
固いものが溶けて流れていくような、
労いの光りが心を溶かしてくれて生まれた
そんな、温かな涙でした。
高尾の春が、Sさんの心を温かく包んで、寄り添ってくれることでしょう。
Sさんが、最善を見出されるよう、心から祈っています。
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