全生園の年に一度のお祭りに行ってきました。11月3日です。
全生園の正式な名前は、「国立療養所多磨全生園」です。
元ハンセン病の方々が約200名ここで生活されていて、医療施設や介護施設も併設されています。平均年齢は80歳を越えるとのこと。
東村山の久米川駅からバスで10分。
広大な敷地の中には、保育園や看護学校もあり、地域の子どもたちの遊び場や釣り堀などもあって、今では地域に開かれた憩いの場所になっています。
ここで年に一度行なわれている「全生園まつり」に行ってきました。
2時ぐらいには行くつもりが、乗り換えを間違えたりいろいろあって、結局着いたのは3時。
既にお店が店じまいを始めていました。
それでもなんとかお花や揚げものなどを買って、展覧会の会場で利用者の方々の作品を見て、一人お祭り気分を楽しむことができました。
その後、「着いたら連絡しますネ〜」とお約束していた副看護部長のKさんと電話が繋がって、ようやく会えて、またまた「ホッ」(*^_^*)
もう既に会場は片づけが終わりかけていたので、Kさんが園内をぐるっと案内してくださいました。
その散策の時に偶然出会った男性利用者の方に、Kさんが私を紹介してくださいました。
そして、私がここにかつて住んでいたSさんの友人だったことを知るとその方は、
「Tさんご夫妻の家に行ってみては?」と勧めてくださったのです。
私と友人Sさんは、10年ぐらい前に友人を介して知り合って、電話でお話をしたり、文通したりという関係でした。
Sさんは私と同じ宮城県の生まれだったということも、お互いが親しくなるきっかけにもなっていました。
いつかお会いしたい、お会いして一緒に歌いましょうね、と約束をしていたのに、その約束をはたさないうちにSさんが天国に旅立たれたことを知ったのが、今年の8月でした。
もうお会いできない。ならば、ここに来て歌うというお約束だけでも果たしたい。
その一心で看護副部長のKさんに、☆アルビレオ☆のミニコンサートの開催をご相談していました。
そういう事情を知るKさんは、即座に、私に、「Tさんのお家にいってみましょう!すぐそこですよ。今ならきっといらしゃると思うから」と言うがはやいか、ためらう私の前を颯爽と歩き始めたのでした。
もし予定通り2時に着いていたら、きっとこんな展開にはなかなかったかも・・・
と思いながらKさんの後をついて行きました。
そして、Kさんは、Tさんご夫妻の玄関をあけて、私を紹介してくださいました。
突然の来客にも終始笑顔のTさんご夫妻は、見ず知らずの私とKさんを居間に招きいれてくださり、
なんと1時間近くも、私の友人Sさんがどんな生活をされていたかを丁寧に教えてくださったのです。
乗り換えを間違えて遅れて到着したからこそ、
Kさんが園内を案内してくださり、そうしてゆったり歩いていたからこそ、
ばったり出会った利用者さんともお話できて、
そのお蔭で、Tさんご夫妻のお家にお邪魔できたのでした。
なんという偶然。なんという必然。
当初、私はこのお祭りに2日行くことになっていました。
それが3日に延期になりました。
本当は2時につくことになっていたのが、
3時に着いてしまいました。
はからずも・・・の積み重ねが、実はもっとも私が知りたかったことを知る最良の機会を運んでくれたのでした。
会いたいと思っていた友人Sさんに会いに行けないまま時間が過ぎてしまい、
彼女との約束を果たしたくて多磨全生園に連絡をしたのが今年8月。
訪れてみると、彼女は既に天国に旅立った後でした。
それから数カ月をへて、再び全生園を訪れて、ようやく生前のSさんを知る方々Tさんご夫妻と出会えたのでした。
これも、副看護部長のKさんが親身に私の願いに耳を傾けて動いてくだっさったおかげです。
人の優しさ、人との繋がり、絆の不思議さに、ただただ圧倒された一日となりました。
突然の訪問にも終始笑顔で応対くださったTさんご夫妻と、私を案内してくださったKさんに心から感謝申し上げます。
そしてきっと天国のSさんが、あの日、あの時間に、私が全生園に到着するように導いてくださったのだと信じます。
天国のSさん、ありがとう!
☆(*^_^*)☆