向島学会・交流サロン その2

すっかり春本番のような天気になりました。隅田川の桜も今週末が見頃でしょうか。
交流サロンの続きです。
当日は、ゲスト講演に続いて学生の発表が2本、さらに向島学会関連の事業報告が5本ありました。
学生発表では、AAFのすみだ川アーツのれん会メンバーの小川泰史さんが、向島のキーマンを取材してまとめた修士論文「地域とアートプロジェクトの関係」の概要、そして、2004年の向島Yearから、向島のアートプロジェクトに参加してきた菅原由衣子さんが、修士論文「小学校を媒介とした地域活動におけるパートナーシップの形成とその継続に関する研究」について発表を行いました。どちらの研究も、地域における「ひと」とそのネットワークにスポットを当てて丹念に調査した労作です。
向島学会では、このように、向島地域をテーマにまちづくりやアートプロジェクトの研究を行う学生たちに、地域の中での発表の機会を提供しています。ちなみに発表を体験した学生たちによると、ゼミでの教授の前の発表よりも、向島での発表の方がよほど緊張するということです。
向島学会の関連事業では、2006年度のアート・まち大学の報告、空き家の改修プロジェクトの進行状況の説明、向島マッピングプロジェクトからはマップの試作版の紹介、それから、鳩の街で「こぐま」を運営するトリのマーク(通称)の柳澤さんと、ボランティアスタッフのお二人からは、向島アートアーカイブプロジェクトのお知らせと協力の呼びかけ、そして「こぐま」独自編集によるかわいらしい商店街の案内マップの紹介などが行われました。
このアートアーカイブプロジェクトは、向島で行われたまちづくりやアートのイベントの記録を集めて展示するもので、これまで点としてしか見えなかった個々の企画を、ひとつのつながりとして、まちのひとに紹介する企画です。現代美術製作所も、ぜひ資料提供に協力したいと思います。
さて、もうひとつ関連事業として、新年度に交流サロンを使って、新東京タワーに関する連続シンポジウムを行ってはどうかという提案も行われました。こちらも、今後の地域にとって重要なテーマ。向島芸術計画2007でも、アートという切り口から、タワーの投げかける問題について考えるきっかけをつくりたいと思っています。(曽我)