昨日は、アサヒ・アートスクエアで開かれているAAF学校を覗いて来ました。講師は、2002年よりAAFで水上アートバスのダンスパフォーマンスを担当されている、「楽の会」代表の清水永子さん。
隅田川の水上バスの上で、コンテンポラリーダンサーがパフォーマンスをするという、水上アートバス。まさに、そのときその場に居合わせたひとしか体験できない、一期一会のパフォーマンスです。昨夜は、参加者と貴重な映像記録を見ながら、清水さんが水上バスの空間を使ったダンスパフォーマンスをマネジメントする際の、様々な工夫や苦心談などを聞くことが出来ました。
水上バスは公共的な交通機関でもありますから、パフォーマーにはいろいろな制約(音を出さないこと、パフォーマーの人数が多くないこと、小道具は小さめにすること、威圧的なパフォーマンスは不可など)が課されます。昨夜は、そうした制約とアートマネージャーがどのように向かい合うべきか、という点を巡っても、トークの後に参加者といろいろ刺激的な意見が交わされました。
清水さんは、事前にパフォーマーに様々な条件を全て説明し、それでもあえて挑戦してみたいというひとにお願いしているそうです。そして一度やってもらうことを決めたら、パフォーマーを徹底して信頼し、さりげなくサポートしながら、できるだけ自由にやらせてあげる。そして優れたパフォーマーは、いろいろな制約を逆手に取って、かえって思いも寄らない球を打ち返すことがあるようです。その、良い意味でのアーティストの「裏切り」から受けるワクワク感こそが、苦労を感じつつも、清水さんが水上アートバスのプロデュースを続けてゆく際の活力の源になっているようでした。
水上アートバス、今年は7月7日と8月4日に開催されます。今年も例年以上にスリリングなパフォーマンスに、隅田川の船上で出逢うことができるでしょう。(曽我)