AAFのご縁で、仙台の吉川由美さんがコーディネートされている「クリエイティブカフェ仙台」にお招きを受け、先週末にトークを行って来ました。
会場のカフェ・モーツァルト・アトリエは、広瀬川を望む広々とした心地良いスペース。店内には素敵な椅子が並び、隅々にまでオーナーの善積建郎さんの洗練された趣味が行き渡っています。一緒に東京から参加したメセナ協議会の荻原康子さんと顔を見合わせ、「いいなあ、東京にも欲しいねえ、こういう場所・・・」と、思わずため息。
このスペースは、以前は私設の現代美術館だったところを、善積さんが引き継ぎ、展覧会やライブのできるカフェとして運営しているとのこと。すでに31年前から一番町でカフェを始めたという善積さん。そのスタッフからは、多くのミュージシャンやアーティストたちも巣立っていったそうで、仙台のカルチャーシーンを陰ながら支えてきた重要なキーマンでいらっしゃいます。
当日のトークは、仙台から善積さんの他にもう一人、定禅寺のジャズフェスティバルや仙台アート場所など、様々なプロジェクトの運営に無くてはならない人物である、残間豊さんも参加されました。17年も続くジャズフェスティバルの運営に最初から関わって来た残間さんは、大変なロマンチストでもあるとともに、その夢を実現させてゆくしたたかなバイタリティーの持ち主。こういう場所で話をするのは初めてなので、少し気恥ずかしそうでしたが、自分が「楽しい!」と思うことを、屈託なく追求してゆく残間さんに、本来の意味での市民プロデューサーの姿を見たような気がしました。
ぼくはと言えば、向島のアートやまちづくりの動きの簡単な紹介と、現在自分が地域で展開している「向島芸術計画2007」について説明しました。路地や長屋のスライドもたくさんお見せしたので、仙台に比べると、東京の方がよほどローカルだなあ、という印象を持たれたかもしれません。しかし、最後に押上に建設予定の「新東京タワー」の話をしたところ、さすがにみんな驚いていました。もっとも、「それって、まるでUFOみたいですねぇ」、という吉川さんの言葉が象徴するように、「すごいなぁ」、「進歩的だなぁ」という意味での驚きではなくて、「なんで?」、「どうして?」という声の方が多かったようです。正直な話、ぼくも全く同感ですが・・・。
さて、クリエイティブカフェ仙台は、今回を皮切りに12月まで6回開催されます。会場も様々で、次回はおそば屋さんで開催されるとのこと。この連続トークセッションを通じて、仙台の地域資源である「ひと」や「場所」に新たな角度からスポットが当たることで、地域の文化力が今後さらにたくましく育ってゆくことを期待したいと思います。(曽我)
http://www.city.sendai.jp/soumu/kouhou/shisei/sis0709/tokushu02.html