「広汎性発達機能障害」について朝日新聞の取材がありました

先週の連休明けに、朝日新聞大阪本社の
世活文化部の記者さんが取材にいらっしゃいました。
取材対象は、一昨日のこのブログでも触れている
「コミュニケーショントレイニンググループ」です。

 実はこのグループは、高機能広汎性発達障害と思われる
方を中心として行われています。いわばその方のパーソナル
サポートグループと言ってもいいものですが、サポートメンバー
たちのコミュニケーション力をアップすることにも非常に
役に立っています。

 朝日新聞大阪は今年一年を通して、この「広汎性
発達機能障害」を特集するとのことで、東京でももう何回か
記事になっているそうです。次回は「就労」をテーマになさる
というので、その担当記者さんが、当方のグループの様子
などを聞きにいらしたというわけです。

 この「広汎性発達機能障害」は、今までは「自閉症」という呼称で
ひとくくりにされがちだったのですが、一口に「自閉症」と言っても、
その特徴は様々です。最近はよく「アスペルガー症候群」という
呼び名を耳にしますが、これもまたこの障害の一つと考えられます。

 この障害のなかで知的な遅れを伴わない「高機能」の人たちは、
本人も周りの人たちもそれと気づかずにいることがよくあり、集団生活
の中で「不適応」の状況を引き起こしているケースが多くなっています。
何年か前から、各自治体が小学校入学時にそのためのテストを取り入れ
始めて、ようやく早い段階で対処することができるようになりましたが、
それ以前は全く何の手も打っていなかったので、かなり多くの人たちが
気づかぬまま成長し、社会に出て行ったものと思われます。

 こういう人たちは、トラブルが起こると、その人の性格や能力のせいに
されて、悩み苦しんでいます。「障害」であることが分かれば、適切な
対処が可能になります。新聞などのメディアがその啓蒙役を担うのは、
非常に有意義なことだと思います。

 記者さんの話だと、現在小学校入学時のテストでこの障害に該当する
子どもは毎年6パーセント以上もいるそうです。ということは、職場や学校
などの集団では、その構成員数の6パーセント強がこの障害を持っている
と考えられるわけで、大変な人数になることが予測されます。

 と言っても、この障害に関してはまだ解明されていない点も多々あり、
特徴や症状も一様ではないので、サポートもなかなか難しいところが
あります。当NPOのグループも試行錯誤しながら1年半続けてきて、
やっと少しはスムーズにコミュニケーションができるかな、というところ
までこぎつけたという感じです。

 とそんなことで、随分長い時間記者さんと話し込んでしまったのですが、
この取材が、少しでも障害に対する社会的な理解を得ることにつながる
ことを願いつつ、再度の来訪をお約束しました。記事になるようでしたら、
またこのブログでお知らせ致します。(新地)