今年になってから宿泊希望の家族が増えて来ました。
最初は、五月の連休に息子さんからお母さんを宿泊
させて欲しいと希望された。

今のらくの現状を考えると、家族からの希望は
100%引き受けないと、路頭に迷いかねない
経営状態になっている。

昨年一つの山が崩れると、「ガタガタと音を立てて壊れ始めた」
壊れだすと連鎖反応で一気に崩れ落ちてしまった。

こんな厳しい現実は過去に経験したこと無いので
かなり落ち込んでしまった。

らくの利用者さんは、元気で病気一つしない無病息災が自慢だった。
だが、その自慢神話はいとも簡単に崩れてしまった。
私は、デイサービスは年老いた御老人が利用する所と
長い間忘れていました。

開所してかれこれ7年、利用者は元気過ぎた。
お悔やみに伺った事も無かった。
でも、でも、年明けて2月に101歳の楽しかった利用者さんが
あっけなく御世の国に旅立ってしまった。

歳には不足は無かったが人間の命のはかなさがこの時
ばかり思い知らされた。

 一週間前に利用された時には、昼食のハンバーク煮込みを
美味しいなって言ってくれ、「もっと食べたいな」ってお代りを
してくれたのに、らくの利用者の中で一番元気で、よく食べたのに、
甘い饅頭が大好きで、「牡丹餅食べたい」と言われ、

 「もち米とうるち米をお釜で炊いて、すりこぎでついてな、そして
団子にまるめるねん。あんこはな、小豆に白砂糖ではなく、少し色のついた
中白糖で軟らかくなるまで炊くのやで」っと作り方を教えてくれ。

大きさを聞くと、こんな大きさやと一個かな、こんなに小さかったら
二、三個食べれるで、とおしゃた。

もうビックリで、娘と思わず見つめあってしまった。

だから、昼食ご直ぐに牡丹餅を作っておやつにお出しした。
お歳がお歳なので、餅で喉詰めないか心配で少しづつ
食べて頂いても、あっという間に呑み込んでしまわれ
「あ!美味しかった。もうちょっと食べたいな」ってお代りを希望された。

でも今になったら、利用された日数は短かったが楽しかった
思い出が残っている。

岩の崩れがもう打ち止めで、なんとか僅かに残った利用者で細々と
経営を続けて行く中、最近の家族の意向が、二泊三日のデイサービス
利用が人気だと言う事が分かって来た。
介護が長引いてくると、家族の行き向き抜きが必要何でしょう。

頻繁に宿泊者を認めていなかったが、認めざるを得なくなった。
これが世の常なら受けてみようと決断をしました。
Nさんも泊まってくれるようになった。

Nさんに懐いている利用者さんは、今枕を並べて心地よい鼾が
聞こえてくる。

さあ!お休みなさい、良い夢を見て、安心して寝ています。