野生動物たちのフィールドサインを探そう!

今日は月に一度の自然観察はじめ隊!の日でした。
9〜11月秋のあいだ、観察対象は野生動物たちです。
と言っても、植物の葉を裏返すようにシカのひづめを手にとってみることもできませんし、昆虫を採集するように、うりぼう捕獲のわなをしかけるわけでもありません。
昼間に人が集っての観察会で「生」のほ乳類が見られることなんてまずないと言っていいでしょう。じゃあ何を観察するの?というと、「フィールドサイン」です。動物たちの暮らしの痕跡。
足跡や食痕(しょっこん)、落としもの(ふん)や、爪やつので森に残したあとを探すことが観察ミッション。「マニアックだから一般受けしないんじゃ…」などと所内で言われながらの開催でしたが、終わってみると改めて、このおもしろさがイベントのお知らせからでは伝わらないなんて!と歯がゆい思いです。
今日の2時間のなかで参加者のみなさんが発見した数々の「!」の一部をご紹介いたしましょう。

①おとしもの

園路はひそかに「おとしもの」だらけです。ピンセットでつまみとってシャーレに入れる。あとで洗って観察してみましょう。を、どのご家族もひるまず実践しました。今朝の雨で園路のおとしものはすでに中身が見える状態に。
鳥のおとしものからは、さっきつぶしてみた実のたねが!
イタチ(もしくはテン)のおとしものからははメタリックグリーンに輝くタマムシの頭が!
こんなもの食べてるんだねえ、と実感。甲虫は外殻がほとんど消化されずに排出されているみたいです。カニを殻ごと食べているような感じ??

②晩餐場所

どのおとしものにも割とよく混じっている種入りの実をつけるのがあのヨウシュヤマゴボウですねとキャノピーウォークから下をのぞいていると
あるおとうさんが発見。「あの、橋脚の途中にのっかってる(ヨウシュヤマゴボウの実の)ふさ、あんなとこに人は行けないし、動物がふさごともいで置いた食べかけじゃないですか?」
写真では小さいけれど、影ぐらいは…見えますか?ブドウのようなかたちで実をつけるヨウシュヤマゴボウのふさ、たしかに自然に落ちたわけでもなく子どものいたずらでもなく…。
おそらくイタチなどの小さな動物がヤマゴボウをひと房ちょうだいし、あの橋脚の上で食べて、…そしてなんとキャノピーウォークの手すりの上にはそれらしき「おとしもの」もあったのでした。
ゆっくりひとり晩餐会を楽しんでいたのでしょうか?
あそこなら眺めもいいしねー。とみなさん想像して楽しんでおられました。

他にも足あとなど見つかったのですが、10月11月もあることですしこのへんにしておきましょう。秋の間は日頃から山の中でほ乳類や鳥類調査に明け暮れている(?)メンバーが揃った「里山鳥獣研究所」の方々にご協力をいただいて、観察会を実施しています。
10月は7日(日)の14:00〜16:00、11月は23日(金・祝)の10:00〜12:00です。
ぜひこのおもしろさがメジャーデビューしてしまう前に、観察会にご参加ください!
お申し込み受付中です。