2011年度 低学年造形クラス

低学年クラス(1〜2年生)では、二つの聖人伝を読み聞かせています。東洋の聖人からは「お釈迦様(釈尊伝)」を、西洋の聖人からは「聖フランシス」のお話を取り上げています。これらはキリスト教と仏教という異なる価値観を基礎としていますが、ここで宗教について子供たちに教えるということではありません。二人のたどった人生のお話には、宗教の枠を超えた共通するエッセンスが漂っています。その普遍的な美をお話と水彩を通して子供たちの夢意識の中で体験してもらうことを、このクラスの目標としています。

旅の途中、持物を貧しい人々に与え、すべてを手放してしまったフランシス。お日様が西に沈んでいくとともに、フランシスの心も不安と孤独の中に沈んでいこうとしていました。そこへ陽気な小鳥たちが現れ、フランシスを取り囲み、フランシスを勇気づけます。

獰猛な狼の前に整然と立つフランシス。彼の勇気と優しさは狼と人々の心を平和へと導きました。

(ほそいのぶひろ)