2011年度 高学年造形クラス

高学年クラス(4〜6年生)では、昨年度に引き続き日本文化をテ−マとした制作を行っています。

仏様の姿はすべてを照らす太陽のように、光と温かさを皆に運んでくる。でも太陽が無くなったら生き物も私たちも生きることができないように、それだけ仏様も大切。

太陽が姿を隠し始めると、「おうちに帰りなさい」と言われる。どうしてだろう。
暗い夜になると町ではお巡りさんが大忙し。お酒に酔って喧嘩を始める人たち。暗いから誰にも気づかれないと盗む人たち。太陽が沈んだ暗闇の中で、人は道に迷い、自分の弱さを知ってしまう。

そんな暗闇の中に姿を現す仏様がいます。不動の静けさの中に力強さを保持したその姿。右手の剣で道に迷った人の心の中の悪を取り去り、左手の縄で強引に仏の道へと引っ張りこむ。武器は悪人を罰するためのものではなく、救うためのもの。

人が暗闇の中で道に迷った時、不動明王が現れて救ってくれたらよいのだが、それでは人はいつまでも成長することができない。不動明王のぶれない安定した姿勢、まっすぐ立てられた剣。その姿は仏の輝く力から遠く離れた暗闇の中でもたったひとりで自らしっかり立っている人間の姿、人間の心の中にある「勇気」そのもののように思えてきます。