きららの森の学校「造形クラス」の活動について

小学1年生から2年生が集う低学年クラスでは、日本を始め、アジア、アフリカ、ヨ−ロッパなどの様々な昔話や神話などの読み聞かせを行い、それをテ−マとした水彩画制作を行っています。世界には昔から語り継がれてきた沢山の心温まる素晴らしいお話があります。そのようなお話を耳で聞くだけではなく、画用紙の上で繰り広げられる色の力や動きなどの芸術的要素を通して、お話の内容を更に感覚的・体験的なものとして子供たちの心に届けることがこのクラスの大きな目標です。
幼児や低学年の子供たちの心は、まだ精神世界との自然なつながりを持って過ごしていると言われています。お話の中に登場する神々や天使、鬼、小人、動物たちとのやりとりの中で、主人公の心に芽生える優しさや力強さ、忍耐や勇気、思いやりなど、そういった「精神的な熱と輝き」を、水彩活動を通して子供たちの心に届けていきたいと願っています。

子どもは9歳になると、メルヘンや童話よりも科学的な事実や歴史などの現実的なお話に引かれ始めます。それは子供たちがより地上的な物事に目覚めてきているという成長の証しであると言えます。小学3年生から6年生が集う高学年クラスでは、宇宙や地球の始まりから生命の進化、人類の誕生、世界の歴史へと話を進めながら、過去から現在への時間の流れの中で起きてきた大切な出来事を、造形活動を通して体験していくことに大きな目標を置いています。そのような活動を通して、宇宙の誕生から今日までの壮大な時間の流れの中に私たちが今存在しているという「人類の一員としての広い意識」を子供たちに持ってもらいたいと願っています。また、日本の歴史にも触れ、アジアや西洋文化から多くを学びながらも、太古の森から授かった叡智を大切にしてきた日本文化についても造形活動のテ−マとして取り上げていきます。
精神世界とのつながりと人類の一員としてのアイデンティティ、日本に暮らす者の一員としてのアイデンティティ。この三重のつながりを大切にしながら、芸術活動を通して子供たちの「心で感じる力」を育てていきたいと願います。

造形クラス講師:細井信宏