きららの森 造形クラス12月

《中高学年 造形クラス》
今回は冬のキャンプ場で行うこととなりました。この日には、子供達は蜜蝋でろうそく作りをし、「リンゴろうそく」で近づく冬至とクリスマスを祝いました。お昼は、保護者の方々がそれぞれ作ってこられた、とてもヘルシーで美味しい料理で満たされました。
 今回の造形クラスでは、この来る冬至とクリスマスを背景に、『キャンドル』と言うお話をしました。これは世界大戦時の捕虜収容所で実際に起きた話だそうですが、ほとんど食べるもののない収容所で、一本の蜜蝋でできたろうそくの灯火が、飢えと失望で真っ暗だった収容所の人々に希望の光を灯すという感動的なお話です。蜜蝋のろうそくは、その時、唯一食べることのできる物でしたが、クリスマスの日、人々は自分が生きるためにそれを奪い合い、争いあうことなく、そのろうそくに火を灯したのでした。真っ暗闇に輝く光は、小さければ小さいほど、その輝きを増していきます。
 一見、この話は子供達には重過ぎる様にも感じられますが、暗い面よりも、ろうそくを食べようとしなかった人々のすごさ、素晴らしさのほうに意識が向いているようです。にじみ絵では、一本のろうそくを描きました。紫と暖かい黄色が作る明暗の美しい響きに少し驚いている子供もいました。課題では誰も戸惑うことなく、そのろうそくの明かりはすんなり受け入れられたようです。
 この様に高学年クラスでは、低学年クラスの童話的、空想的世界から、地上の現実的世界を背景にしたものへとテーマが移行していきます。地球上の様々な自然環境と、そこで暮らす人々の様々なストーリーを中心に、これからも新たなテーマにチャレンジしていきたいと思います。授業が、子供達の足元と前に広がる地平線を照らす要素となれる様、これからも頑張っていきたいと思います。
細井 信宏