千葉県が策定中の「第3次男女共同参画計画」について「男女平等の理念が後退している」として、市民団体や法曹団体などから見直しを求める声が出ている。
第2次計画まで明記されていた「男女平等」という言葉が、案で消えたことなどが理由だ。県側は「男女平等を否定するものではない」とするが、国の同計画ではこの言葉が使われている。・・・・
現行の第2次計画と第3次計画案の違いは、計画の目次といえる体系図からまずうかがえる。基本理念を2次は「女性も男性も人として尊重され……平等な社会の実現を目指す」としていた。3次計画案では「基本理念」が「目標」という表現に変わり、「男女がともに認め合い……元気な千葉の実現を目指す」となっている。
続く「基本的な課題」では、2次で「男女平等」とあった表現がすべて「男女共同参画」に。この結果、「男女平等」は本文にわずかに残るものの、計画の方向性を示すような言葉としては一切使われていない。
県弁護士会は昨年12月、明らかに2次計画より後退しているとして修正を求める会長声明を出した。声明では「認め合い……」との表現が、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することのできる男女共同参画社会を目指すとした男女共同参画社会基本法の趣旨に反する、と指摘している。
県によるとこれまでに、全国フェミニスト議員連盟など10団体から見直しを求める申し入れがされたという。
転換のきっかけは、県が計画づくりで識者らに意見を聞く「男女共同参画推進懇話会」の委員交代だったとの見方が強い。昨年7月、新たに学識経験者として2人が加わった。
昨年8月の懇話会で、新委員の長谷川三千子・埼玉大教授は「男女の違いを認め合って支え合うことが必要」などとして「男女平等」は適さないと主張した。同じく新委員の渡辺利夫・拓大学長も「安易な言葉遣いは戒めるべきだ」と修正を求めた。
これを受ける形で県は3次計画案を作り、11月に公表した。県側は「わかりやすく簡潔な言葉を使った」としている。3次計画は、昨年12月に募ったパブリックコメントと、委員の意見を参考にして3月中に出来上がる予定だ。
もっとも原案の方針が維持されたままの計画になるのではないかという見方が強い。見直しを求める県議は「知事の肝入りで就任した委員。その意見を取り下げるはずがない」とみる。
この問題について森田健作知事は記者会見で「様々な意見があるが最終的には私が判断する」「基本的には(男女平等と男女共同参画は)同じ意味」としている。
一方、内閣府男女共同参画局は「国として指導したことはない。『男女平等』を使わない方がいいという議論は聞いたことがない」という。 .http://mytown.asahi.com/chiba/news.php?k_id=12000001102070001
◆千葉県男女共同参画推進懇話会
http://www.pref.chiba.lg.jp/dankyou/jouhoukoukai/shingikai/danjokyoudou/index.html
※我孫子女性会議としても、この県が策定中の「第3次男女共同参画計画」に対して「男女平等の理念が後退している」として、見直しを求めるパブリックコメントを提出しました。
◆千葉県の男女平等をすすめる会
http://chibabyodo.blog71.fc2.com/blog-category-5.html