政府=女性施策の改善報告:国連の差別撤廃委員会に

女性の社会参画を進めるための施策などについて、日本政府は今月国連に報告書を提出し、その内容を公表した。
 国内のNGOなどからは「実効性に欠ける内容」との指摘も出ている。

 政府は、女性施策の遅れを2009年に国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)から指摘され、26項目について勧告を受けた。
中でも、雇用分野などでの女性参画の遅れについては、緊急性の高い課題として2年以内に改善措置を取り、実施状況を報告するよう求められていた。

 今回の報告書は、企業などで指導的地位に立つ女性の割合が低いことについて、「政府の働きかけが少なかった」と責任を認めている。その上で、民間企業の課長職以上に占める女性の割合を2015年までに10%に引き上げる目標を掲げたほか、公務員や研究者の女性登用などについても期限と数値目標を示した。
これまでの実績としては、女性を積極的に登用するポジティブ・アクション(積極的改善措置)を中小企業にも推進するため、マニュアルを作り、男女間賃金格差の解消に向けた指針を作った点などを挙げた。

 これに対し、今月10日、東京都内で会見した「日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク」(49団体加盟)世話人の永井よし子さんは、「数値目標やマニュアルなどを作った点は評価するが、強制力がなく実効性に疑問がある。今後、企業などにどう広げ、結果につなげていくかが課題」と指摘した。
同ネットワークでは、女性の登用を推進するための提言として、成果を上げた企業は税制面で優遇するといった内容を、独自の報告書にまとめCEDAWに送付している。
 また、CEDAWでは、民法に定めた夫婦同姓や男女の結婚可能年齢の差などについても改善を勧告していたが、政府の報告書はこれらについて「引き続き検討を進める」との記載にとどまっている。 http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/20110816-OYT8T00200.htm

女子差別撤廃委員会の最終見解に対する日本政府コメント(仮訳)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/josi/comento06.html

女子差別撤廃条約(女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/josi/index.html