『ワーク』と『ライフ』の相互作用に関する調査/内閣府

働く人の「ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)」の現状と課題などを盛り込んだ2011年版の報告書を内閣府がまとめた。

報告書では、2002年から07年までの5年間に「介護・看護を理由に離職・転職した就業者」は約54万4000人に上り、女性がその約8割を占めることを指摘。介護対象者は、男性は自分の親と妻が大半で、女性は夫、夫の親、自分の親の順に多かった。
転職理由については「労働時間が長い」(46%)、「出社・退社時刻を自分の都合で変えられない」(45%)、「介護休業を取得できない」(30%)などが多く、通常の働き方では介護と両立するのが難しい実態が浮かび上がる。

報告書では、介護しながら休暇を取りやすい環境を整備したり、社内で介護に関する勉強会を開いたりしている6企業の取り組みも紹介。高齢化社会では仕事と介護の両立は重要課題であり、「多様で柔軟な働き方を可能にする環境整備が必要」と指摘した。国としては、介護のための休業を企業に義務づけた「育児・介護休業法」の周知、徹底を図っていくとしている。
内閣府・仕事と生活の調和推進室の小林洋子さんは「ワーク・ライフ・バランスの考え方は元々少子化対策を出発点にしており、介護との両立についてはあまり重視してこなかった。急速な高齢化に伴い、今後は男女にかかわらず多くの人が抱える問題として取り組みを進めていくべきだ」と話している。
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/20120201-OYT8T00121.htm

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調査の目的
「仕事(ワーク)」と「生活(ライフ)」は、例えば長時間労働が個人としての活動の時間を圧迫したり、育児や介護のために働き方を変える必要が生じたりするように、相互に密接に影響を与え合っている。また、有配偶者であればそれぞれの「ワーク」面での状況が家族関係にも影響を与える一方で、逆に家族関係が「ワーク」面での成果に影響を与えることも考えられる。
本調査では、個人の「ライフ」の特性が「ワーク」の特性に与える影響及び「ワーク」の特性が「ライフ」の特性に、相互に与える影響(相互作用)を明らかにすることを目的とする。
◆報告書
http://www8.cao.go.jp/wlb/research/sougo/sougo.pdf