内閣府は12日、2060年に向けた長期の労働力人口予測をまとめた。
出生率が大幅に回復し、北欧並みに女性や高齢者の労働参加が進んでも約50年で1170万人、労働力人口が減るとの結果になった。女性活用などが進まない場合、減少幅は2782万人に拡大するという。
中長期の日本経済の課題を議論する有識者委員会「選択する未来」に試算結果を出した。働く人と失業者を合計した労働力人口は、13年に6577万人と前年比22万人増えた。景気回復や共働き環境の整備で、女性などの労働参加が増えたのが要因だ。だが、中長期的には高齢化や人口減で働き手の減少は避けられない。
女性や高齢者の労働参加が全く進まない最も悲観シナリオの場合、労働力人口は60年に3795万人と今より42%減少。30〜49歳の女性労働力率を先進国最高のスウェーデン並みに引き上げ、60歳以上の労働者の引退年齢を5年遅らせた場合でも4792万人と13年比27%減る。12年に1.41だった合計特殊出生率が2.07に回復した場合でも5407万人と18%減少するという。
女性・高齢者の労働参加も出生率改善も進まない場合、働き手の不足は潜在成長率を年間0.9%押し下げるという。
この結果を踏まえ、内閣府の有識者会議は、生産性の向上による成長力強化や、コンパクトシティーの推進による地方都市の集約化など、人口減社会に対応した経済政策のあり方を検討する。
◆女性の就業と労働力人口/内閣府
http://www.gender.go.jp/whitepaper/h22/zentai/html/honpen/b1_s00_02.html