法務省の研究会は23日、無戸籍者の原因となっている「嫡出推定」と、親が子を戒めることを認める「懲戒権」の見直しに関する報告書を公表した。
法制審議会(法相の諮問機関)は29日に部会を開催し、報告書を踏まえて議論に着手する。
嫡出推定は民法772条で、離婚後300日以内の女性から生まれた子は前夫の子とみなすと規定されている。報告書は、離婚後300日以内でも女性が再婚していれば、前夫の子とはみなさないことなどを盛り込んだ。
嫡出推定をめぐっては、前夫の子と認定されることを避けるため、母親が出生届を提出しないケースが無戸籍者につながっている。法務省の調査では、6月時点の無戸籍者830人のうち約8割が嫡出推定を理由に挙げている。
民法822条が定める懲戒権は、児童虐待の正当化に悪用されているとの指摘がある。通常国会で成立した改正児童虐待防止関連法は、見直しを検討すると明記。報告書は(1)懲戒権の削除(2)名称の変更(3)認められない行為の明確化−などを論点に挙げた。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190723-00000004-jij-pol
◆民法
(懲戒)
第822条親権を行う者は、第820条の規定による監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができる。
(嫡出の推定)
第772条1.妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
2.婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。
◆無戸籍でお困りの方へ
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji04_00034.html