政府が新型コロナウイルスの感染予防対策として全戸配布する布製マスクに汚れなどが発見された問題で、布マスクの納入業者である「興和」と「伊藤忠商事」は23日夜、未配布分を全て回収すると発表した。加藤勝信厚生労働相は24日、閣議後の記者会見で、「口に着けるものなので衛生面を含め、しっかりとしたチェックを引き続き行ってもらうよう要請していきたい」と述べた。厚労省によると、再び配布する時期は不明という。
布製マスクについては、妊婦や施設に入所する高齢者らのほか、1世帯に2枚配布する予定だった。しかし、一部に汚れやカビ、虫の混入などの不良品が相次いで見つかっていた。興和は「政府へ提供した布製マスクの一部から不良品に該当する旨の報告を受けた。未配布分について全量回収の上、再検品する」、伊藤忠商事も「厚労省に納品したが、マスクの中に不良品が発生し、検品を行うよう指示があった」とのコメントを公表した。
全戸配布する布マスクを巡っては、必要経費として466億円かかる一方、安倍晋三首相肝いりだったことから「アベノマスク」とやゆする声も出ていた。政府は17日から東京都内で配達を開始し、5月中に全国への配達完了を目指していたが、こうしたスケジュールが遅れる可能性もある。同省の担当者は「新たに追加的な予算はかからないが、検品した上で配達できる時期は今のところ不明」としている。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200424-00000021-mai-pol