霞が関で働く公務員の長時間残業が問題となっていますが、こうした状況であるにもかかわらず、国家公務員は女性に大人気です。男女差別が少ないというのがその理由のようですが、公務員は他の業界に比べて、女性が活躍しやすいのでしょうか。
内閣人事局によると、2020年4月に入省した国家公務員(総合職)のうち、女性の比率は35.4%と過去最高となりました。もっとも割合が高いのは法務省で、採用された45人のうち28人(62.2%)が女性でした。近年、国家公務員は国会対応などで長時間残業を余儀なくされるなど、ワークライフバランスが不十分との指摘が出ています。一見すると、女性には不利な職場ということになりますが、現実には公務員として働く女性は年々増えています。公務員に女性が多いのは、基本的にペーパー試験で採用が決まることから、採用において差別が発生しにくいということがあるといわれています。また府省にもよりますが、入省後の昇進も試験の点数が大きく影響するといわれており、ある程度の役職までは機械的に昇進が可能です。民間企業の場合、良い意味でも、悪い意味でも人物が重視されますから、場合によっては女性が不利になるケースが多いというわけです。
公務員あるいはそれに類する業種のほうが女性差別が少ない、というのは諸外国も同じで、米国のコンサルティング会社オリバー・ワイマンの調査によると、米国の公的部門において金融関連業務に従事している女性の比率は30%を超えていますが、民間部門は20%以下でした。フィンランドの公的部門のように半分以上が女性というところもあります。
公的部門のほうが女性が活躍しやすい、というのは日本も諸外国も同じですが、日本の場合、女性の比率そのものが圧倒的に低いという問題があります。労働政策研究・研修機構によると、日本において管理職に占める女性の割合は12.9%と米国(43.8%)、ドイツ(29.3%)と比較して大幅に低くなっています。https://news.yahoo.co.jp/articles/9e0e076917feb0b0a941fcbc9a581f1cc0dd536b