全国の小売店でレジ袋の有料化が義務づけられて1日で1年です。
大手コンビニ各社によりますと、レジ袋を辞退する人の割合は70%以上に達し、有料化導入前の3倍程度に増えました。
一方でレジ袋の代わりとなる家庭用のポリ袋の購入量は増えていて、プラスチックごみをどう削減するかが引き続き課題となっています。
有料化が義務づけられた去年7月以降の大手コンビニのレジ袋の辞退率は、セブン‐イレブンとローソンが75%、ファミリーマートが77%となっています。日本フランチャイズチェーン協会によりますと、有料化前の辞退率はおよそ25%で、義務化によって3倍に増えたことになります。
このうちセブン‐イレブンはことし2月まででおよそ8000トンのプラスチックごみの削減につながったとしていてレジ袋の収益はペットボトルのリサイクルのための回収容器の設置費用などにあてているということです。またファミリーマートは、有料化の収益は、海洋ごみを原材料にした買い物かごを作る費用に充てています。
一方で、ごみ袋メーカーが行った調査によりますと、去年7月以降、レジ袋と同じような形をした取っ手付きのポリ袋の購入量が2倍以上に増えているということで、有料化がプラスチックごみの削減につながっているかどうかは不透明です。
ポイ捨ては減ったけど
街なかにいわゆるポイ捨てされているレジ袋は減ったものの、弁当の空き容器などプラスチックのごみそのものは今も減っていないという声もあります。
東京 表参道などで街に捨てられたごみの清掃活動を行っているNPO法人「グリーンバード」は定期的に行う活動の一環で28日の朝、8人のボランティアが参加し、街頭や公園でごみを拾いました。およそ40分の活動でごみ袋4枚分のごみが回収され、目立ったのは空き缶やペットボトル、それに飲み物のプラスチック製の容器などでした。
専門家「有料化で意識に変化」
レジ袋有料化の効果について環境問題に詳しい三菱UFJリサーチ&コンサルティングの植田洋行主任研究員は「レジ袋そのものは日本で出るプラスチックごみ全体の2%から3%しかなく、レジ袋を減らすこと自体は大きなインパクトはないが、プラスチック製品を環境に配慮して有効に使う意識が、レジ袋の辞退という形で家庭に浸透したことは意味がある」と話しています。
そのうえで「一人一人がプラスチックとのつきあい方を大きく変えるタイミングに来ていると思う。レジ袋の有料化で、使わなくていいプラスチックは使わないことが当たり前のように受け入れられるようになり、これからはほかのプラスチック製品にもこうした経験をいかしていくことが求められるのではないか」と指摘しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210630/k10013110471000.html?utm_int=news-life_contents_list-items_016