宮城県大崎市の鳴子から岩出山にいたるエリアで、9月1日から行われていた「りくとうアートライン」が終了しました。これで今年の「GOTEN GOTEN 2007 アート湯治祭」の全プログラムが終了したことになります。
今日は東鳴子の勘七湯「勘七ギャラリー」や岩出山の感覚ミュージアム、JR陸羽東線有備館駅ユービックなどで撤去作業が行われました。
画像はユービックでの展示「DATE SPIRAL Ⅱ」のようす。
感覚ミュージアムでの一番人気はなんといってもこちら。田中真二朗さんの「ヒトノスミカ3」。
マンションなど集合住宅のベランダを模したものが、通常はポスターを掲示する壁面に設置されました。受付脇ということもあり、訪れた方が気軽にスタッフとこの作品をめぐってトークを交わすという現象が頻発し、ミュージアムでは来場者とのコミュニケーションが劇的に増大したとのことです。
越後しのさんは屋外と屋内にあわせて3点を設置されましたが、この屋内のかぶれる作品はミュージアムに寄贈するということで、かぶりたい方はいつでも行ってかぶれます。
また、越後アートグッズとして、トートバッグが当面、ミュージアムのショップで販売されるそうなので、こちらもどうぞ。
そして屋外「あったか広場」のテーブル下に設置された狩野哲郎作品。雑草を植え、その成長を見守るというインスタレーションですが、たいへん過酷な環境のもとで、生き残った雑草がしかし元気に顔を出しつつあります。この作品も当面、展示が継続されますので、こののち、いったい何が起こるのかお楽しみに。
岩出山方面での搬出に手間取り、私はこの日、行けなかったのですが、東鳴子の勘七ギャラリーでは折原真樹さんの最後のアニメーション上映が行われ、夕方には他の9人の作品も撤去されたそうです。
こちらのギャラリーは、地元の拠点として今年「アート湯治祭」で生まれた東鳴子最大の成果のひとつとも言えるものだと思います。作家集めからすべて湯治アーティストの大場順一さんがすべて監督してくれました。
「湯治文化」そのものが「封印」されたようなこの空間を体験することにより、来場者のみならず、町の方にとっても、アートを通して地域をより深く体験したり、再発見するきっかけになったのではないかと思います。
ここでの来年の展開もたいへん楽しみです。
(門脇篤)