杜の都仙台の代名詞ともいえる定禅寺通りのけやき並木に毛糸の桜を咲かせた昨年のアート・プロジェクト「けやきに花を」につづく「SENDAI シリーズ」として、やはり仙台といえばこの川、広瀬川に毛糸の天の川をかける「SENDAI 天の川プロジェクト」を考えていましたが、別に、仙台といえば仙台七夕会場として知られるアーケード街ということもあり、特に4つあるアーケード街のうち、完全にアーケードが通りを覆ってしまっていない一番町四丁目商店街を想定した企画を考えてみました。
新緑の季節、さまざまな新緑を思わせる緑の毛糸でアーケードの中央部分を「補完」し、いわば「新緑のアーケード」を完成させようというものです。
この通りでは昨年から「仙台アートシティプロジェクト(SAP)」という企画も行われており、条件的にも整っているように思われます。
定禅寺通りのけやき並木、一番町四丁目商店街のアーケード、そして仙台市街地を流れる広瀬川——毛糸という統一した素材を使い、これらの場で行うに必然性をもった企画を行うことで、今後、これら「SENDAI シリーズ」のいわば3部作を完結させていきたいと考えています。そうすることで、実際にはこれまでただ自分が生まれ育ち、今現在も住んでいる場所以上の何かを実感できるだろうかと思っています。
(門脇篤)