そしてミーティングです。
T君の持ってきた「レゴ・ブック」をよくよく読んだ私は、それほど大きくもないホワイトハウスをレゴでつくったものに何百時間もかかっているというのを知り、実際、君たちのつくりたいという実物大のレゴの車をつくるのに、どれくらい時間がかかるのかとたずねます。だんだん現実的な話になってきました。
「半年」「1年くらい」「3年?」とかいう答えで、現実問題として、夏に2泊3日くらいで東鳴子へ行ってつくることができるものにしよう、と話をもっていきます。「だって、君たち、1年も合宿できないだろう?」
かなり企画にスケール感がなくなって、せっかく実物大の車をつくろうと思っていたのにご機嫌ななめのT君。しかし、小学6年生に私はひとつひとつ順を追ってものごとを進めよう、と説明しました。
今年はとりあえず、2泊3日くらいでつくれるものを考えて、これを確実につくり、また来年につないでいく。そうして何年かつづけているうちに東鳴子にレゴの一角ができ、やがてレゴ好きやレゴジャパンも見逃せないスポットになっていくかもしれない。というような、本当か?という説得を試みます。
その横で、実務的なS君は、「じゃ、その屋台にどれくらいレゴが必要か計算してみますね」と計算をはじめました。
その結果、2メートル×1メートル、高さも2メートルほどの屋台に約6万個の基本ブロックが必要ということがわかりました。
また、基本ブロックを1つ積むのに2秒かかるとして、無理やり作業時間を計算したところ、16時間くらいかかるということに。ふたりでやればひとり8時間。骨組みやらキャスターやらの基本部分を木や何かでつくり、レゴの支持体とするなら、全部入れてちょうど2泊3日くらいでできあがりそうです。
また、これまでかなり想像の域でしかなかった開催予定地である東鳴子の写真や、参加企画として考えている「GOTEN GOTEN 2008 アート湯治祭」の案内チラシなどを見せ、レゴを制作する場所についてのイメージをわかせました。
彼らの感想は「ずいぶん、寂しいところですね」
なかなか鋭いです。
とりあえずミーティングは終わり、次回までにレゴ屋台の模型を50分の1スケールくらいでそれぞれつくってくることになりました。
通っているJR陸羽東線の車体をデザインに取り入れたものや、レゴらしい突起をあしらったものなど、何かそれぞれのセンスでと言ってあるので、いったいどんなものができあがるかたいへん楽しみです。
かなりやる気が盛り下がっているのが気になりますが。
(門脇篤)