「コミュニティアート城」

コミュニティアート・ふなばし」さんになぜか呼んでいただいて、千葉県船橋市でアートをやるようになって今年で4年目になります。
1年目はわけもわからず、毛糸でアートをやっていたので、とりあえず商店街の街灯に毛糸を結び、これに紙でつくってもらった船をつけるとか、2年目もまた呼んでくれると思っていなかったので「緑化フェアをやるのでそのテーマに沿って」といわれるままに「葉っぱ」をつくるというのをやりました。
さすがに3年目になるとこれは長期計画なのか?とうすうすわかってきたので、しかも3回も来てるんだからもっと「これは」とわかるようなものをと思い、去年から安くてボリュームがあり、みんなでつくれて、しかも次回へとつながっていくようなものをと思い、プラスチックダンボールによる「箱」づくりをはじめました。これが昨年つくった船です(こちら)。

これはたくさんの小さな箱をつみあげてつくったもので、別の地域ではこれが「牛」になったり、「ゲート」になったりしています(「牛」はこちら。「ゲート」はこちら)。

というわけで、今年の船橋は?ということで考えたのが「コミュニティアート城」であり、「セレクトショップ」です。いずれも建物ですね。
通りを歩いている人でも参加でき、ボリューム感があって、素材が安く、次回にもつづいていくようなもので、思わぬ不確定要素も入り込む余地がある、という点から、今年の初めあたりからなんとなく浮かび上がってきていて、何度かコミュニティアート・ふなばしの下山さんらとやり取りしてきたのですが、今日の電話ではかなりぼんやりしていたその「不確定要素」が急上昇してきました。

私はどっちかというと、「コミュニティアート城」は船橋の通りを歩いている地域住民の方を巻き込むためのツールとして考えていて、例えば子どもたちが「おもしろそーやらせてー」と来たところで、その親には本町通りのセレクトアイテムを見せる「セレクトショップ」を用意し、商店街再発見の機会をと考え、そっちをメインに考えていました。いわば商店街への大サービスですね。
しかし今日の下山さんとの話で感動的だったのは、このコミュニティアート城は、全国でがんばってコミュニティアートをやっている人の活動が立ち上がっていくようなシンボル的なものにできないか、というお話でした。

横浜のART LAB OVAや大阪のココルーム、船橋のエコネットなどの例をひきながら、下山さんはそれらに取り組む人たちの使命感や高い志のようなものを「コミュニティアート城のようなものではないか」と表現していました。
まったく残念ながら私の発想は全然そこまで至っていませんでした。
そうした「コミュニティアート城」を取材した絵本的なものもつくりたいとのこと。そして最後にシンボルとしての「城」もできあがる。そんな構想を語ってもらいました。
まさに私にとっては思いもよらなかった「不確定要素」です。本当にすばらしい。これがあるからアートはやめられませんね。
気合いを入れて取り組んでいきますよー

門脇篤