東鳴子の地酒「天音」

このほど、東鳴子温泉に地酒が誕生しました。その名も「天音(あまね)」。
東鳴子温泉の酒屋さん「尾形商店」さんの二代目・アツシさんは、かつて競輪選手として日本全国を旅するアスリートでした。その彼がたどりついた安住の地が東鳴子。町内会長をつとめ、公認会計士でもある尾形さんのおうちに婿に入り、黙々と東鳴子ゆめ会議の取り組みを支えてきました。
その彼が、ゆめ会議理事長・旅館大沼の大沼さんのところに「こういうこともできる」と持ちかけたのが東鳴子の地酒づくりというアイデアでした。
大沼さんのコーディネートで作曲家・大場陽子さんによるオリジナル曲「お酒の子守唄」を聴かせての仕込み、熟成、そしてお披露目ライブというイベント性も兼ねたストーリーが描かれ、東鳴子には地酒が誕生。お披露目会には100人にのぼる参加者がつめかけ、お酒は絶品。売れています。
本当にすばらしいことです。地域の方が、自分のできることを持ち寄り、それをいろいろな人の手を借りてその地にとってのかけがえのないものとしてつくりあげていく。
第二第三の「天音」が、この過疎の温泉地に生まれてくることを願っています。そして結果としてアートが何らかのかたちでそれをお手伝いするかたちになっていたらいいなと思います。
例えば、「こんなことしてもいいんだ!」という、何かを取り払うような視点として。「なら、俺だってやれるよ」という、何かを触発するための触媒として。
まだまだこれからおもしろくなってきますよ、東鳴子。

門脇篤