SENDAI compleXをそろそろ本格始動させようと、発案者のひとりでもある国際交流基金の菅野さん来仙を機に、せんだいメディアテーク1Fカフェで作戦会議が開かれました。
中心となっているのは宮城教育大の村上タカシさん。これまでもさまざまなかたちで仙台のアートシーンのサポート的な役割を果たしてきましたが、そろそろ法人化などを視野に入れつつ、仙台だけでなく、東京ほか他地域との連携も行う組織へと育てていきたいとのことで、役割分担や来年の事業プラン、数年先の形態改変なども話し合いました。
私がおもしろいと思ったのは、宮城県出身で仙台をよく知る菅野さんの「仙台は顔が見えない」というお話でした。「戦後、焼け野原になってから、ずっと東京を向いてやってきて、結局、特徴を出せずにここまできてしまっているのではないか」「ルーツは必ずやっていくうちに必要になってくる」「仙台は学生が多い町だから、彼らこそが地域資源。彼らのアートリテラシーをもっと高める工夫をするとおもしろいものになっていく」などなど鋭い指摘はたいへん勉強になりました。
他のまちに行ってアートをするとき、その土地の歴史や風土など、地域資源をもとに組み立てていきますが、そういう意味で私は自分の住むまちについてはかなりリサーチをおこたってきたように思えてきました。また、人材育成など他地域での先進的な例を見ながら、そうした取り組みもまったく行ってきていません。
SENDAI compleXでのとりあえずの取り組みとしてあげられたのは、地域のアートリテラシー向上のための継続的なフットワークの軽い仕掛けで、東北ゆかりのアート関係者なりを呼んでのアートキャンプなどを、アートに興味のある学生さんらとともに連続的に開いていくことなどが検討されました。すごくいいと思います。
私も仙台ではアートについて熱く語り合う場所がないように思っていたところで、そうした意味で、個人的には私自身と仙台が向き合ういい機会になると思います。
来年がたいへん楽しみです。

門脇篤