文化事業仕分けに意見募集

私(たち)が取り組んでいる文化芸術、アートの目的は、自分たちが住むまちやひいては国について考え、いっしょに何かをする機会やしくみをつくることです。
芸術文化は、心に潤いをもたせる個人の趣味的世界や、芸術家の個人的な内面世界を表現する活動、国家に威信をもたせたり、観光・産業等の経済活動に新たな付加価値を生み出す源泉などにとどまりません(というかいまだにこういうものだけを文化芸術だと思ってしまっているのが間違いです)。
市民が自分たちの地域をどうつくっていくか、そうした社会参加、いわば市民自治を行う上での有効な場やしくみづくりを提供するものであり、また最も大切な点は、今問題として目にふれられていないものを照らし出したり、それを力技で解決したことにするのでなく、みんなの問題として共有したり、考えたりする場をつくりだしたりする、本当の意味での人やまち、国の力を生み出す源泉になりうるということです。
全国には今日の閉塞した状況にどうしたら現状を打開できるのかと悩んでいる方ばかりですが、一方でこれに対して文化芸術で有効な取り組みを現に行っているところがいくつもあるのです。
正直、「アマチュア等の活動支援」などというネーミングや発想での助成を考えていることが間違っているわけですが、芸術文化の今日的な意義を見直し、日本あるいは世界が今迎えつつある状況にあわせた芸術文化の使い方を見直すいい機会であると思います。
諸外国に比べ、文化予算の占める割合、あるいはGDPに寄付の占める割合は低く、われわれが低予算でできることからやりましょう、とかやっているうちにまちや国は荒廃していくばかりです。

ということで、以下、まわってきました。ぜひ意見を送りましょう。

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今回の「事業仕分け」で国の文化予算が約100億円削減との評決が出て、
(芸文基金とかばっさり!)文部科学省が意見募集をしています。

▼行政刷新会議事業仕分け対象事業についてご意見をお寄せください。
http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/sassin/1286925.htm

▼「事業仕分け」を行った評価コメントおよび評決結果は以下に。
http://www.cao.go.jp/sasshin/oshirase/h-kekka/3kekka.html

▼より詳細な資料等は企業メセナ協議会のブログから。
http://mecenat.jugem.jp/

それで、文科省の意見募集の締め切りが12月15日となっていますが、
本日、文化庁に確認したところ、それは来年度予算全体の締め切りであって、
実際のところは、今週、19・20日におこなわれる行政刷新会議の本会議で
鳩山首相も出席のうえ、文科省の予算削減の件については、おおよそを
決定するのではないか、とのこと。なので、その前に少しでも多くの意見を携えて、
文科省大臣・副大臣としては会議に臨みたいそうです。
というわけで、意見が効力を発揮するのは一両日中!

皆様、本当にお忙しい中とは思いますが、このまま無茶苦茶な予算削減に
なんら声を挙げないと、それが「国民の同意を得た」ことになってしまうわけで、
個人でも組織でも、より多く発言をしたほうがいいと思うのです。
個別の案件について意見募るようになっていますが、全体的な意見でも
大臣官房会計課宛に送ればいいそうです。
どうぞ意見を述べていただくとともに、本件の周知にご協力ください。

*************************以上転載

門脇篤