野田村からレポートをお届けします。野田中学校仮設住宅では、
断熱材・二重窓を外側から取り付ける工事が行われていました。
集会所では、金曜の定例行事として、包括支援センターによる
「なごみ体操教室」が開かれました。まず、牛乳パックを使った
椅子作りがあり、参加者の中に”先生“を見いだして、皆さん、
手際よく器用に作っておられました。その後、健康体操。今日は
ダンスを採り入れた動きでした。集会所近くには、洋野町から移動図書館も来て下さっていて、親子連れの姿も見えました。借りてきた紙芝居を撮りだして、その世界へと入っていく男の子の姿に感じ入るものがありました。

体操教室の間、週末のイベントのチラシを配りました。今回は、役
場前・旧図書館前での炊きだしです。八戸の南風堂さんが、ベト
ナム料理のフォーとちまきを作って下さいます。食べながら、旧図
書館に展示されている写真を見て頂くという趣向です。津波に流
された場所には、たくさんの家財道具に混じって、写真やアルバ
ムが大量に残されました。ボランティアさんの呼びかけで、写真を
拾い、洗浄し、乾燥して、分類、展示する作業が続けられています。

当初、凍てつく寒さの中で、写真を洗う作業は厳しいものでしたが、
住民の皆さんがいずれ探しに来て下さるだろう、そして、きっとそこ
に大切な写真を見つけて下さるだろうと願って、1枚1枚地道な作業
を通して、丁寧に扱われてきた写真です。現在は、旧図書館を写真
管理室としてお借りして、そこに展示されています。まだ思い出を
振り返る気持ちになれなかったり、日々の生活再建に忙しかったり、
出稼ぎに出られていたり、あるいは、遠くの学校へ行かれていたり
して、住民の皆さんが列を成して見に来られるようなことはありませ
んが、そっと見て行かれる方の姿もちらほら見られます。

塩水に濡れた写真は、写真班と呼ばれるようになったボランティア
さんの懸命の努力にも関わらず、残念ながら、劣化していきます。
しかし、1枚1枚の写真には、決して劣化しない思い出が刻まれて
います。たった1枚の写真の存在が、これからの力になると涙なが
らに仰る住民の方もいらっしゃいます。現物として圧倒的な存在感
のある写真を守っていく努力が、ボランティアさんの手で進められ
ています。