阪神・淡路大震災から17年が経ちました。NVNADでは、その原点でもあるこの日を大切に過ごしてきました。今年は、「1.17被災地交流会in神戸・西宮」という企画のもと、新潟県小千谷市塩谷集落、新潟県刈羽村、岩手県野田村、青森県八戸市から、被災された皆様をKOBEにお招きし、阪神・淡路大震災で犠牲になられた方々の追悼をともに行わせて頂き、交流を深めました。2004年中越地震で被災された皆様6名、2007年中越沖地震で被災された皆様9名、そして昨年の東日本大震災で被災された皆様11名(野田村8名、八戸3名)がはるばるお越し下さいました。また、野田村でチーム北リアスとして一緒に活動しております弘前大学や京都大学からも駆けつけて下さいました。
16日は、それぞれに飛行機、新幹線、車でお越しになった皆様を神戸にお招きし、東遊園地での追悼の場所を訪れた後、近くで交流会を開きました。既に交流のあった塩谷集落と刈羽村の皆様、また、野田村で救援活動を行われた刈羽村の皆様と野田村の皆様は、知り合いの方々との再会を喜ばれ、KOBEで初めて知り合った皆様も、まるで昔からの知り合いであったかのようにすぐに会話が弾みました。新潟や野田村へ通っている学生さんも加わり、神戸の語り部で野田村支援に動かれている方も参加してくださいました。大いに盛り上がった交流会は、被災という共通の経験が人々を結びつけることを改めて確認する場となりました。そして、翌朝に深く追悼の想いをつなげることを誓いながら散会しました。
17日5時46分は、東遊園地でろうそくの灯りに包まれながら、皆さんで黙祷を捧げました。17年前のKOBEを想い、さらに、それぞれの”あの日“に想いを馳せて、深く頭を垂れて下さいました。午前中に、いつもお世話になっている被災地NGO恊働センターを訪れて、観音像の前で、改めて被災者を悼み、振る舞われたぜんざいを頂きながら、代表の村井さんから、これまでの活動に込めてこられた想いを聴かせて頂きました。ここから、小千谷闘牛会のご縁で知り合った大槌町の2名も合流されました。続いて訪れた人と防災未来センターでは、阪神・淡路大震災からの復興の過程をじっくりと学びました。展示に見入る人、語り部さんから話を聴く人、資料室で資料を閲覧する人、それぞれに時間を過ごしておられました。
午後は、西宮に移動し、「被災地交流会in西宮」を3時間の予定で開催しました。これは、西宮市の委託事業でもあり、西宮市民の皆様も多く参加してくださいました。まず、第一部として、小千谷市、塩谷集落、刈羽村、野田村、大槌町、八戸市の被災状況や経緯を発表して頂き、続いて、弘前やチーム北リアスの活動も紹介して頂きました。第2部では、6班に分かれて、グループディスカッションを行いました。各班には、各被災地からの方々が混ざるように構成しましたので、東日本大震災の被災地からは、復興に向けた問題や不安などが提示され、阪神・淡路、中越、中越沖からは、それぞれの経験に基づいた対応が示されました。各班で話し合われた内容を発表し、全員で共有しました。参加された皆様からは、今後も、こうした交流会を続けていって、絆を深めていきたいという声が上がりました。さらに、具体的な交流案も示されました。主催したNVNADとしましては、是非、次回も集まる機会を持つことを約束させて頂きました(この交流会の詳細につきましては、次のブログで別途報告させて頂きます)。
交流会終了後、西宮神社にお参りさせて頂きましたところ、宮司さんはじめ神社の皆様からあたたかく迎えて頂きました。夜、地元西宮のお店にお世話になって開いた懇親会も、「これからも皆さんと絆を深めていきましょう!」という乾杯で始まり、阪神・淡路大震災で被災された経験のある地元のピアニストによる即興演奏を楽しみながら、歓談しました。最後は、ピアノ伴奏で、「ふるさと」の大合唱。皆さんが再会をかたく誓い合って終了しました。
18日は、北淡町の野島断層を見学に行かれる方々、海の守り神である和田岬の神社を訪ねる方々、神戸や大阪を訪問される方々に別れて、出発までの時間を有意義に過ごされました。そして、午後から夕方にかけて、新幹線や飛行機で帰路につかれました。
NVNADでは、西宮→中越→中越沖→東日本大震災と続いてきた「被災地のリレー」から生まれた関係が、さらに深まることを願って今回の交流会を実施させて頂きました。おかげさまで、その願いも達せられつつあります。これからも、被災というあまりにも悲しくつらい経験をしてきた者どうし、こうして絆を確認し、深め合うことを、お手伝いできればと思っております。
この度の交流会の実現にも、皆様から頂戴しましたご寄付の一部を充てさせて頂いております。改めて、NVNADを支えてくださっている皆様に感謝申し上げますとともに、こうした活動が継続できますよう今後ともご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
最後になりましたが、お忙しい中、遠くからはるばるKOBEにお越し下さいました各被災地の皆様に心から御礼を申し上げます。また、今回の企画では、西宮市より多大なご支援を頂戴しました。さらに、準備段階から、関西学院大学関嘉寛先生に運営の労をとって頂きました。また、関ゼミの学生さん、大阪大学の学生さんにも細やかにお手伝いを頂きました。NVNADとしまして、深く感謝申し上げます。