1月20日から2日間、ニュージーランドのクライストチャーチに行ってきました。昨年2月22日にM6.3の大地震があり、日本人28人を含む181人が犠牲となった場所です。日本全国の皆様からお預かりした募金17,000ドル(日本円で約111万円)を、現地で復興作業に携わるボランティア団体のRebuild Christchurchにお渡し、市内の様子を案内して頂きました。
当日はまず、市中心部の立ち入り禁止区域周辺を見せて頂きました。徐々に縮小はされているもののまだ一定の区域はフェンスで囲まれ、作業の方以外は誰も入ることはできません。以前は市内で一番高い建物であったGrand Chancellorというホテルが半分近くの高さまで解体されているのが見えました。塔が崩壊してしまった大聖堂もまだ近寄ることはできません。市のシンボルである大聖堂ですが、修理するにも建て直すにも費用がかさみ、まだどうするかは未定だとのことでした。路面電車も震災以降一度も走っていません。日本人の方も多く犠牲になったCTVビルは更地になっていました。写真にあるフェンスのすぐ向こう側です。多くの方がお花などを捧げていました。
その後、郊外を案内して頂きました。海に近い東側は地盤があまり良くなく、2010年9月にあった地震の時から液状化が起こり、噴出した水が引いた後に残った大量の砂で、軒先に手が届くくらい地表が高くなっていました。国がRed Zoneと決めた場所には将来的に建物を再建しないと決められており、住んでいる人達はいずれ立ち退かなければなりません。余裕がある人はいいのですが、経済的に不安のある方も多くおり、これらの方の引越しをお手伝いするための活動に私達の募金が使われること
になっています。別の郊外のAddington地域は、元々生活の苦しい方が多いところだそうで、その方達の家の修理やがれきの撤去、コミュニティ再生のためのイベント開催などにも5,000ドルを使って頂きました。
震災後11ヶ月経ちましたが、まだ復興は始まったばかりのように見えました。ですが、徐々に明るい雰囲気も戻りつつあるようです。更地になった中心部には、色鮮やかなコンテナを使ってお店を出し、そばでイベントを行うなど、人を集める試みもなされています。空き地に作られたアートも見せて頂きました。日本からの支援はとても喜ばれ、議員さんにお会いできたり現地の新聞に紹介されたりもしました。これからも、同じ地震国として、交流を深めていきたいと思っています。国内の事情もあり、現地に届けるのが遅くなってしまいましたが、募金をして下さった皆様、どうもありがとうございました。 (ボランティアスタッフ 谷渕啓子)