野田村だより(4月7日・8日)

新年度に入りました。チーム北リアスでは、現地事務所に共同代表らが集まり、2年目の活動について議論しました。NVNADは、兵庫県佐用町での活動と重なりましたので、スタッフが手分けして参加しました。今回の会議の主なトピックは、復興計画、寄り添い、事務所運営でした。例えば、復興計画が策定されていく中で、行政でもなく住民でもないチーム北リアスは、復興過程の詳細を学び、地域の諸団体や住民の方々お一人お一人の想いを知り、取り残される人がないように協力していくことが検討されました。また、仮設住宅、見なし仮設住宅への訪問を徹底していく方略についても話し合いました。事務所運営については、事務所員をおけるようになったので、その仕事内容などについて決定しました(詳細は、チーム北リアスのページなどで紹介されると思います)。今後とも、NVNADは、チーム北リアスに参画し、野田村を中心とした岩手県北地域の復興に向けて活動を継続し、ご支援を頂いております皆様のお気持ちを確実に届けて参ります。今年度も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

4月8日には、三陸鉄道運転再開記念イベント「つながるんだるま開眼式」がありました。三陸鉄道は、津波で甚大な被害を受け、久慈駅から、陸中宇部駅、そして、陸中野田駅への3駅だけで運転を再開していましたが、4月1日、田野畑駅まで運転が再開されました。実は、津波を受けて、普代駅で停車したままになっていた車両に、昨年9月、たくさんのだるまが乗せられました。だるまには、住民の皆さんや全国から支援されている方々の想いが書き込まれ、片目が入れられていました。三陸鉄道が再開すれば、その車両を迎えに行って、復旧を祝う日に、もう片方の目を入れようという企画でした。

4月1日の田野畑駅までの運転再開は、全線開通(2年後を予定)への区切りとなりますので、8日、臨時列車が用意され、久慈駅から普代駅、そして、田野畑駅まで往復することになりました。車内には、だるまがたくさん乗せられていました。まず、普代駅で、だるまの開眼式が執り行われました。そして、両目の入っただるまと一緒に田野畑駅へ。Nestleさんの協力で美しく彩られた田野畑駅で記念撮影。参加者には、三陸鉄道の写真が入った特別支援KitKatも配られて、久慈駅へと戻ってきました。

陸中野田駅を過ぎて海岸に近づく部分では、線路が国道を越えて反対側にまで流されるという被害を受けていた区間です。ここに再び敷かれた真新しい線路の脇には、津波前の野田村住民の財産が瓦礫と化してうずたかく積まれているところもありました。

車窓から見える港には、まだ被害の傷跡が残るところも少なくなく、何より船の数があまりに少ない状況でした。しかし、三陸鉄道は、一歩一歩復旧し、1つまた1つと駅がつながって行きます。復興のシンボルとも言えそうです。人々のくらしや想いもこのようにつながって行くことを改めて願わずにはおれませんでした。