宇治市炭山地区で3度目の活動を行いました。現地には、住民の皆様による災害ボラセンが立ち上がっていました。昨日、区長との電話で、「たくさんのボランティアさんが来てくれはるんやさかい、ボランティアさんの場所を作ったんや」と聞いていました。場所は、区の役員さんらが詰めている本部から少し下ったところにある民家前。この民家は、地元の陶芸組合が使用している建物だとのこと。資機材の置き場、休む場所、トイレが確保され、水道も道を渡ったところにある蛇口を使わせて頂くことができました。駐車場は、通行止め区間があるため行き止まりになっている道路をボランティア駐車場として使わせて頂けるようにして下さいました。ここには、住民の方々(役員さん)もおられ、住民の方々の出入りも頻繁にありましたが、宇治市社会福祉協議会のテントが張られ、社協や支援Pの方々がローテーション体制を作って入って来られていて、「宇治市災害ボランティアセンター炭山地区サテライト」という様子になっていました。
10時30分頃に現地に到着。区長に挨拶をしておりますと、早速、一足先に来られていた被災地NGO恊働センターの吉椿さん達が迎えて下さいました。恊働センターさんには、佐用町をはじめ様々なところでお世話になってきておりますが、今回は、嬉しいことに「(NVNAD理事長の)渥美の叔父さんが被災されたから救援活動を展開する」という誠にプライベートなご配慮を頂き、前回は足湯隊、今回は吉椿さんを派遣して下さいました。この場を借りて、心よりお礼申し上げます。サテライトに向かいますと、これまた中越沖地震などで大変お世話になってきました名古屋の(特)レスキューストックヤードの第1陣がおられました。バスで総勢47名。途中の笠取インター出口付近でバスをおり、そこから別の車でピストン輸送という段取りでした。実際、大きな車は通れない道なので、これが最善。そこで、NVNADでは、車を出して、ボランティアさんの迎えをお手伝いさせて頂きました。サテライトには、これまで親交のある社協やNPOの職員さんもおられて、懐かしく挨拶を交わしました。さらに、震災がつなぐ全国ネットワーク(震つな)の要の一人である矢野さんが栃木から駆けつけて下さっていました。全国各地のお世話になっている方々が、いわばもう総出で応援して下さっていることに、NVNADとしましても、また、区長を親戚にもつ身としましても、大変心強く、ありがたく思いました。皆様、本当にありがとうございました。
サテライトに置かれたホワイトボードには、30件以上の要請内容が書かれ、地図も貼られていて、それぞれに3人、5人と振り分けられて作業が始まりました。今日もうだるような炎天下の作業でした。NVNADスタッフは、レスキューストックヤードさんと連携して、冷たいタオルを配ったり、冷やした飲み物を配ったりしながら、休憩を呼びかけるなど側面支援をやりつつ、ニーズにも耳を傾けていました。どこでも住民の皆さんは片付けに没頭されている様子で、疲れたとは口にされなくても、疲労の色が滲み出ていました。陶器の納入期限が迫っているというお家では、徹夜の作業が続いているとか。おそらく、住民の皆さんの疲労は限界まで来ています。そんなとき、頼りになるのは足湯ではないかと感じました。黙って続ける片付けの中からふともれるつぶやき。何も話さなくても、ほっと一息つける瞬間。片付けとは異質な時間の挿入。そんなことが必要だと感じました。
作業終了予定時刻の午後3時半になると、各所から、ドロドロに汚れたボランティアさんが“いい顔をして”帰ってこられました。ただ、皆さん「まだまだやることがある(のに、帰らなければならない)」と仰っていました。確かに、バスが駐めてあるポイントまでは、急なヘアピンカーブがいくつもあり、路肩が所々壊れ、対向車が来るとすれ違うことができないため、警備の方が点々と立って交通整理をされているような山道です。暗くなったり雨が降ると危険ですので、作業は早めに終わらなければなりません。今日もボランティアさんをバスまで送る作業を完了したときには17時近くになっていました。
炭山地区では、「明日への一歩 炭山通信」が連日出されており、本部に張り出されています。現地の方々の情報集約、発信力を感じる場面です。ただ、外部からボランティアが来れば来るほど、片付くのは早いという現状はあります。サテライトは、明日の日曜日も同様の動きをとり、平日をどうするのか、来週末をどうするのか、具体的な見通しが決まるとのことです。
NVNADでは、足湯の創始者でもある吉椿さんと相談させて頂き、学生さんを中心としたボランティアさんに足湯隊に加わってもらえるよう調整を始めています。出前足湯ができればと願っているところです。もちろん、片付け作業は延々と続きます。その一方で、戸別訪問や足湯といった時間の必要を感じています。NVNADの次回の現地訪問につきましては、またブログ等でお知らせできればと思っております。今後ともご支援のほどどうぞよろしくお願い申し上げます。