日本損害保険協会、朝日新聞社、そして、(特)日本災害救援ボランティアネットワークが共催して参りました「小学生のぼうさい探検隊マップコンクール」も第9回を迎えました。本日、東京の損保会館で表彰式があり出席して参りました。今年は、全国の400を超える団体から応募があり、マップ総数は2,000枚を超えました。マップ作りに参加した子どもは全部で13,000人。関わって下さった大人は、おそらく10万人を超えるとのことです。その拡がりを嬉しく思います。また、ここまで大きくして下さった関係各方面の皆様に改めて心より感謝申し上げたいと思います。
今日は、7チームが表彰されました。1次審査、2次審査、最終審査に通過した15のマップが入賞となり、そのなかから、文部科学大臣賞、防災担当大臣賞、消防庁長官賞、まちのぼうさいキッズ賞(日本ユネスコ国内委員会会長賞)、未来へのまちづくり賞(朝日新聞社賞)、ぼうさい探検隊賞(日本損害保険協会賞)、そして、NVNADからは、「わがまち再発見賞(日本災害救援ボランティアネットワーク賞)が贈られます。先月、NVNADからもスタッフが最終審査に臨み、今年は、宮城県大崎地域広域行政組合加美消防署「宮城県カッパのふるさと色麻町」(5年生16名)が作成した「かっぱのふる里防災マップ」にわがまち再発見賞を贈ることにしました。このマップは、地域に伝わるカッパ伝説を作品全体に活かし、地域を愛する気持ちが伝わってくる作品でした。また、東日本大震災の被災地として、困ったものワースト5や役立つものベスト5も提案していました。さらに、発砲スチロールで建物を立体的に表現して、見やすい地図にしていました。表彰式には、マップ作りに参加した5年生の男の子と、指導された男性が出席され、緊張した面持ちで賞状と副賞を受けとられました。各賞に輝いた皆さんは、表彰後に、インタビューに応えて壇上から降り、続いて、審査委員長の室崎先生(関西学院大学)の講評に聴き入りました。
室崎先生は、1枚1枚のマップから子どもたちの気持ちが伝わってくる、と同時に、地域の人々の子どもを見守る気持ちが伝わってくると評価して下さり、次の大災害で主役を担う世代がこうしてマップを作り、地域をより深く知り、愛していくことの大切さを述べられました。マップ作りのコツにも触れられ、最後に、マップを作りたくても作れず、提出できなかった子どもたちがいることに思いを馳せるようにと指摘されました。今年も、岩手、宮城、福島の沿岸部からの応募が激減していたのでした。「わが街」を失った子どもたちに思いを馳せ、彼らからマップが応募された時、復興を感じられるのではないかと結ばれました。
この活動は、阪神・淡路大震災からまだ日が浅い頃、NVNADが「わが街再発見ワークショップ」として、西宮ではじめた活動です。当時は、西宮での小さな活動でしたが、損保協会さんが注目してくださり、朝日新聞さんとの協力のもと、全国に広げていって下さったものです。手前味噌にはなりますが、この活動は、子どもたちを軸としながら地域の大人の防災になっていくという点で、極めてユニークで意義深い活動です。防災、防災と叫ぶことなく、地域の防災ができることから、「防災と言わない防災」としてNVNADの主要な活動の1つとなってきました。おかげさまで、ここまで大きな事業にしていただき、今や全国各地の多くの方々が取り組んで下さっていることは、感無量でもあります。損保協会、朝日新聞はじめ賞を出して下さっている関係諸機関に改めて感謝したいと思います。
受賞の歓びを体一杯に示しながらも、緊張した面持ちで表彰式に臨む子どもたちの姿には胸を打たれます。そして、子どもたちを見守る指導者や親御さんの誇りに満ちた表情はとても印象深いものです。NVNADは、これからも主催団体の1つとして、地域の防災に励む皆様と一緒に歩んで参りたいと思います。受賞された皆様、おめでとうございます。そして、惜しくも賞にもれた大多数の皆様、マップ1枚1枚に皆様の地域でのドラマがあったことを深く胸に刻んでおります。どの地域にも優劣があるわけではありません。これからもしっかりと防災を進めて行きましょう!皆様、本当にお疲れ様でした!