岩手県野田村での活動
〜フリマ&ふれあいカフェ&プレーパーク〜
NVNAD理事 米山清美
野田村に入って3年目、私はプレーパークなど子どもたちや子育て世代に関わる支援を中心に活動してきました。特に心に留めてきたことは相手の気持ちに寄り添うということで、お仕着せの支援はしないことでした。たとえば私自身が西宮市で始めたプレーパークの活動も、阪神大震災の体験がきっかけでしたが、野田村では子どもたちの現状を知り小学校の先生方と話し合いながら実施しました。また活動していく中で知り合った幼児を持つ保護者からの「一時保育の場所がない」という話から、一時保育も含めたふれあいカフェを今年5月に初めて実施しました。フリーマーケットは昨年11月に役場前でプレーパークをしたときに「いつもタダでなくて良いから」「仮設住宅住民だけでない催し」という声を聞き、昨年12月に実施したフリマ(売り上げは野田村への寄付)が好評でした。またいつも西宮からスタッフが行って実施していましたが、5月のふれあいカフェは私だけで行き野田村のママたちと協力して実施し、今回も野田村の女性たちにお世話になりました。また、今回のフリマが好評だった一因に、神戸のある企業のご協力があります。そんな7月の活動を報告します。

7月13日(土)
 野田村入りし、拠点での準備。拠点には、(株)フェリシモ様から、小テーブルや籐カゴなどの雑貨や新品の衣類などが沢山届いていました。仕分け作業や役場近くの会場への搬送などを、5月のカフェを手伝ってくれたママたちが、早速手伝ってくれました。会場に搬入し会場設営。ここにも野田村の女性たち(「さをりひろば野田」の中の「グラシアさをりの会」)が来てくださって、S〜6Lまである衣類をサイズ別に並べたり、野田村の皆さんが買い物しやすいようにセッティング。値段もみんなで決めました。翌日のプレーパークを手伝ってくれる大阪大学災害ボランティアサークルすずらんの皆さんも合流し、夜には準備を終えました。

7月14日(日)
 今回の催しは、品物が子育て世代向けが多かったこともあり、3保育所と小中学校へのチラシ配布が主でしたが、開始時刻の10時前には会場入り口に列が出来、沢山の来場者がありました。若いママたちも多く、会場隅の幼児の遊び場で子どもを遊ばせながら品物を見たり、会場内に設けたカフェで井戸端会議をしたり、とてもリラックスして楽しそうでした。「なかなか買い物をする機会がないので嬉しい!」との声も多く聞かれ、皆さんが楽しそうに買い物されている様子が印象的でした。ママ世代の他にも様々な世代の参加者があり、100人近くの来場者があったようです。
㈱フェリシモ様には、東日本大震災が発災した当初より、多大なるご協力をいただいてきました。「被災者の方々に寄り添った支援を」という私たちの想いをご理解くださり、継続的なご支援をいただいていることに心から感謝いたしております。今回の催しが盛況に終わったことも、野田村でのニーズを聞きいれてくださったり、細やかな対応をしてくださったおかげです。発送作業等にあたってくださった社員の方々をはじめ、㈱フェリシモ様に、この場をお借りして御礼申し上げます。
プレーパークは会場の生涯学習センターの玄関前で実施。ここにも沢山の子どもたちや保護者が来ました。特にお父さんが木工遊びやシャボン玉遊びに興じる我が子を見守る姿が多く見られ、ゆったりした空間になっていました。もちろん毎回参加する小中学生も来ていて「遊び」を通して繋がっているなと感じられました。夜には手伝ってくださった野田村の女性たちとの懇親会をし、今後のことなどを含め歓談しました。

7月15日(祝・月)
 今回のイベントは1日限りでしたが、片付けを翌日の午前中に予定していました。しかし、野田村の皆さんのおかげで14日中にすべて片付け終えることが出来ました。その一つが「ゴミ」です。フリマやカフェのゴミは手伝ってくださった「グラシアさをりの会」の皆さんが、プレーパークのゴミは毎回参加の保護者が、それぞれ自宅に持ち帰ってくださいました。5月のカフェのゴミは自分で持ち帰ったりしましたが、今回は「野田村の皆さんと実施した」ことをより実感しました。
 この日は野田中仮設住宅で写真班による催しが実施されていましたが、昨日のフリマで買ったブラウスを着ている女性がいたり、昨日来られた何人かの方々に声をかけられました。「今度はどんな品物が良いですか?」という質問に、「来年復興住宅に引っ越すから調度品なんかもいるかな」との声も。今回は西宮市内で閉店された商店から寄贈のガラス食器も出しましたが、「陶器は何とかそろえたけどガラス食器までは余裕なかったから」と喜んでくださいました。

7月16日(火)
 今回のフリーマーケットの売り上げは、前回同様野田村に寄付させていただきました。また、売り上げの一部で協力してくださった「グラシアさをりの会」の皆さんの作品を購入し、西宮での物産展に出そうと思っています。村長さんはあいにく出張されていましたが、この日売り上げの5万円を野田村役場に寄付しました。そして小中学校に8月末の西宮・野田村こども交流についての打ち合わせに行きました。お祭りの日程に合わせて西宮からバスを出しますが、お祭りを楽しみにしている野田村の子どもたちを邪魔しないプログラムにするためです。14日にも保護者から情報を得ていましたが、小中学校の先生や商工会の方からいろいろ伺い、双方が楽しめる交流にしたいと思っています。
 この前日私は宮古市に泊まり、昨年6月から関わりのある山田町社協職員さんに会いました。翌日は山田町に向かい、子どもたちのために住民が協力して再生した公園を見学し、出前プレーパークの依頼を受けました。また、野田村中学校から山田町立中学校に副校長として転任された先生にもお目にかかりました。

7月17日(水)
 山田町から野田村に帰ったこの日は野田村の子育て広場です。野田村に行ったときはなるべく顔を出しお手伝いしていますが、今回は広場参加者が村民文化祭に出す作品づくりの打ち合わせも兼ねていました。保育所長さんと作品を決め、材料などについて打ち合わせました。この日の午後野田村を出ましたが、ギリギリまで教育長にお目にかかったり、久慈工業高校に行ったりと8月23日からの子ども交流の下準備をしました。この交流事業が野田村と兵庫県の子どもたちにとって実り多いものになればと思っています。