5月18日(日)、新潟県小千谷市塩谷集落は、熱気に包まれていました。早朝4時30分、季節外れの寒い中、次々と荷物を積んだ軽トラックが集落を降りていきます。集合場所の小千谷体育館前には、小千谷観光のバスが1台。集落外から参加される方々も加わって23名の皆さんが、車からバスに荷物を積み替えました。荷物の中身は、そば、山菜、山菜の天ぷら(冷凍保存されています)、調理器具、机など。バスは5時きっちりに福島県南相馬小池長沼仮設を目指して出発しました。車内では、現地で待ってくれている人たちへの思いがひとしきり話され、片道5時間の道のりをスムーズに進んでいきました。
仮設住宅に到着すると、懐かしい面々が迎えてくださいました。東日本大震災直後、小千谷市に避難してこられて以来、機会ある毎に塩谷集落や小千谷市内の避難先で交流してきた方々です。2012年5月、2013年5月に続き3回目となる「山菜天ぷらそば」の炊き出しの準備は、もう皆さん手慣れたもので、あっという間に完了しました。12時開始予定を少し早めてスタート。受けとったそばを食べるスペースでは、懐かしい話に花が咲きました。山菜を並べていると、「山菜なんてとっても嬉しいわぁ。毎年地元の山菜を食べていたのに、今は放射線がね・・・寂しい思いをしてたんですよ」とお話し下さる姿に、日々失ったもの、失ったこと、失った時間と向き合ってくらしておられる厳しい生活が感じられました。
午後3時前に撤収し、帰りのバスに乗り込みました。「ありがとう!」「また来てね」と素朴ではありますが、心のこもった言葉をかけあって名残を惜しみつつ出発しました。車内では、「行ってみなければわからないものだのぅ」「良い活動になったねぇ」としみじみとした話が聞こえてきていました。
2004年中越地震で被災された塩谷集落から、南相馬への3回目の「被災地のリレー」は、20時前小千谷体育館前で終了となりました。疲れた顔をした人は一人もなく、むしろ清々しい笑顔で、皆さん家路につかれました。NVNADでは、この活動の一部をお手伝いさせていただいております。
来週末は、関西の大学生を中心に50名以上が集まり、塩谷集落で恒例の田植え交流会が開催されます。