益城町木山中学校「ひまわりプロジェクト」の活動報告

6月12日、熊本地震で被災し現在も閉鎖中の木山中学校の卒業生、在校生が主体となって実施した「ひまわりプロジェクト」に、NVNADは物品の寄贈を行った。不足していたじょうろ×15、巻き取りホース×2、台車×1を寄贈し、教頭先生に受け取っていただいた。ひまわりプロジェクトは、雨にも関わらず生徒100人ほどが集まり、校門入ってすぐの通路200メートルほどと、畑にひまわりの種が植えられた。当日は、メディアも入り、その様子が各社紙面にも掲載された。
■メディア掲載先
産経フォト http://www.sankei.com/photo/story/news/160612/sty1606120015-n1.html
神戸新聞https://www.kobe-np.co.jp/news/zenkoku/compact/201606/0009179833.shtml
中日新聞http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016061201001466.html
西日本新聞http://www.nishinippon.co.jp/nnp/lifestyle/article/251497 など

・ひまわりプロジェクト概要
阪神大震災の「はるかのひまわり」に由来する。はるかのひまわりは、阪神大震災で亡くなった神戸市の加藤はるかさん(当時11歳)の自宅跡に、その夏ひまわりが咲いたことから、近くの住民が思わず「はるかの生まれ変わりや」と声を出したのがきっかけ。その後、「はるかのひまわり」は復興のシンボルとして広がり、その種は中越地震や東日本大震災の被災地にも届けられ、多くの人を勇気づけている。
今回、木山中学校の元副生徒会長で、現在高校2年生の矢野明子さんが被災後、中学校の震災学習ではるかのひまわりの劇を演じたことを思い出し、当時の生徒会メンバーに声をかけたことがプロジェクト発足のきっかけとなった。集まったメンバーは事前に場所や日取り、今後の管理体制などについて話し合うため、複数回のミーティングを実施。高校が違ったり住んでいる地域が異なったため、スムーズにミーティングが進まないこともあったが、なんとか本番を迎えるに至った。当時の担任の先生を通じて在校生にも呼びかけを実施し、趣旨に共感した生徒たちが日曜日の朝から数多く集まることとなった。

・当日の様子
8:00 木山中学校到着
曇天の下、すでに中学校では先生方と元生徒会メンバーが準備を始めていた。取りきれていなかった雑草を、クワを使ってきれいにしたり、畑の土を耕したりと、準備に精を出していた。中心的に動いてくださっている先生にご挨拶し、準備を手伝わせていただいた。
8:30 教頭先生に物品の寄贈
教頭先生がお見えになられたので、物品の寄贈をさせていただく。寄贈した物品については、ひまわりプロジェクトで今後活用していきたいと、喜んでいただけた。
9:00 ひまわりプロジェクト開始
卒業生、在校生約100人が小雨の降る中、広場に集まった。卒業生にしてみれば、卒業後初めて会うという子が少なくなく、あちこちで再会を喜ぶ歓声があがっていた。また、先生からも、「大きくなったなー。柔道はじめたんかーーー!?」と近況についてやり取りする生徒も見受けられ、現在も閉鎖中の木山中学校が、懐かしいにぎわいに包まれた。そんな中、開会式がとり行われた。元生徒会長から、今回のプロジェクトの趣旨について、「復興のシンボルのひまわりを植えることで、地震で被災したまちの人々を元気にしたい」と語られた。次に、生徒会のメンバーの一人から、ひまわりの種の植え方について説明があった。緊張のせいか、メガホンを持ちながら両手で植え方を説明しようとし、声がメガホンにうまく入らなかったり、無理な体勢で説明を続けようとしたため体がちぐはぐにもつれ、そのおかしさに思わず会場がどっと湧いた。結局、メガホンをもう一人の男の子に持ってもらい、説明をやり遂げた。

開会式が終わると、集合写真を撮影し、種植えに移行した。校門から校舎へ続く通路約200メートルほどに、生徒たちが一斉に植えていった。雑草が残っているところは、クワを使い取り除きながら、上手に植えられていった。通路脇にだいたい植え終わると、次は畑に植えることとなった。しかし、「畝」を作るのを忘れていたことに気づき、大急ぎで作ることに。雨の勢いも増してきていたが、生徒たちは力を合わせて畝を作っていき、どろどろになりながら完成させた。そこへまた種を植えて、夏に向けて優しく土がかぶせられた。
10:00 閉会式
開会式のあった場所で、閉会式が行われた。みな雨でビショビショに濡れながらも、達成感のある面持ちだった。元生徒会長から挨拶があり、解散となった。解散後も、久しぶりに来た学校から帰る名残惜しさもあり、その場に残って生徒たちが談話を続けていたが、徐々にその数もまばらになっていき、やがて最後の生徒も先生方に挨拶し、帰っていった。これにて、ひまわりプロジェクトの「種植え」の活動が終了となった。
今後の動き
植えられた種は、在校生が持ち回りで水やりなどの管理を行うこととなった。すでに、現在の生徒会にひまわりプロジェクトは引き継がれ、自立運営していく予定。しかしながら、通路脇に植えられたひまわりは、位置の関係上、通路側とは逆に花が開くことになっている。出来れば、道を歩く人たちにも花を見て欲しいため、ひまわりがある程度育った段階で、プランターに移し、場所を移動できればとのこと。ただし、プランターが現在不足しているため、まずはプランターの確保を考えていきたいそう。NVNADとしても、今後の関わり方を模索したいと考えている。(報告者:大阪大学 崎浜 公之)