東日本大震災翌年の平成24年度から始まった岩手県野田村との交流事業ですが、西宮の中高生の野田村訪問は今年5回目となります。今回は中高生を含む8人が参加し、野田祭り子どもみこしサポート、新設されたのんちゃん公園での出前プレーパークなどを実施しました。そしてこの交流事業継続の話し合いが9月15に、村長、副村長、教育長、保護者代表が出席し野田村役場で行われました。交流事業一連の報告です。
8月25日〜27日
この3日間の野田祭りのうち、25日と27日の午後にみこしを担ぐ手伝いをします。3基の神輿のうち。新山地区の子どもみこしを担ぎますが、一番重たくて中高生以上しか担げないこともあって担ぎ手が足りない現状です。今回は大学生を含む4人がサポート、鳥居前のメイン会場では「西宮から今年も手伝いに来てくれました」とアナウンスされました。担ぐだけでなく要所要所で水を掛けられながらはね回るので、初参加の大学生は筋肉痛で困っていました。
今回は私が初めて野田村を訪れた際同行した西宮のプレーリーダーも、2歳になる長女と一緒に参加しました。保育料が無料になった野田村では幼児連れの若い親子や、祖父母に連れられた幼児も多くみられ、出前プレーパークでは前述の2歳の女児が野田村の子どもたちとのつなぎ役をしていました。野田村は復興も進んでいて、高い防潮堤の内側に新しい住宅とともに公園も点在。震災前に子どもたちが遊んでいたのんちゃん広場近くに「のんちゃん公園」ができています。川にも入れる親水公園になっていて、水遊びも楽しんでほしいとのことです。プレーパークは26日と27日午前中実施しました。
この交流事業では、野田中学校と交流する西宮市立山口中学校の生徒が毎年参加します。今年は大会等と重なり生徒の参加はありませんでしたが、たびたび参加している教諭とともに今年度赴任の校長先生が参加、暖かい野田村の人たちに感激されていました。26日夜に行われた野田村の子どもたちや保護者との交流バーベキューには、野田中学校校長、副校長、交流担当教諭も参加し、30人以上で盛り上がりました。
野田村での交流事業では野田村にある国民宿舎を利用していますが、保護者の協力で今回初めて中高生のホームステイを実施しました。西宮に野田村の子どもたちが来た時は地域の保護者がホームステイを受けてくれていますが、野田村でもと申し出てくれました。お世話になったのは仮設住宅から新居に移った中学生宅でしたが、本当にお世話になりました。
9月15日
野田村と西宮の子どもたちが互いに行き来するこの交流事業では、発災翌年の平成24年度に初めて野田村の親子が西宮をおとずれました。当初から野田村の子どもたち全員を対象とし、参加費もわずかですが取っていました。ただ交通費はほぼNVNADの出費となっていて近年難しくなっている状況でもありました。また、いつまでも支援されるのではなく主体的な事業にしようと、当初の保護者たちと何度か話し合いました。5年続けてきて、お互いの子どもたちの成長が見られ、継続することの大切さを野田村の保護者達も感じているとのことで、この日も野田中学校保護者が同席しました。
村長、教育長。副村長に、交流事業の経緯などをNVNADとして説明。その後野田村の子どもたちの最近の状況や意識の変化などを保護者が発言しました。具体的な方策は聞けなかったものの、村側としても継続する意義は理解しているとのことで、ハード面からソフト面に移行する復興計画もあって、今後に期待したいと思いました。今年度も来年1月に予定する交流事業ですが、参加条件なども見直しながらの実施とし、何とか継続したいと保護者達と打ち合わせました。
9月21日
西宮市副市長に面会し、これまでの経緯と野田村での話し合いを報告しました。副市長は野田村の子どもたちが西宮に来たときにも合ってくださっています。西宮市としても、交流事業をサポートしてくださるようお願いしました。
震災から6年半、翌年から始まった交流事業も6回目になります。子どもたちの成長が野田村の復興に役立つことを確信しつつ、今後は野田村の皆さんが主体になることをサポートしていきたいと思います。 (NVNAD理事 米山清美)