昔の風呂屋の設計図 / 神田温泉

昔の風呂屋の設計図なんて紙一枚
と書きましたが、私がこの目で見たので間違いありません。

その上、縮尺がでたらめで確認に来た市の役人が笑っていました。それでも当時は、問題なかったんですから、今は昔、隔世の感があります。

図面がいい加減な反面、あらゆるたぐいの変更は現場で思いのまま。
これぞ変幻自在、ウルトラ・マジックか・・・と思わせるほど融通が利きます。

配管も塩ビパイプを使うようになって、トーチであぶれば、水飴のようにクネクネ曲がる。見てくれ良く配管する事や後の修理のことは一切考えない。

その場その場でしのげれば良いという、一貫したコンセプトでパイプを曲げて敷設してゆきます。

私の風呂を新築する際、設計図の束をみて、驚いた覚えがあります。これが普通なんやと。

現場で融通が利く結果、とんでもないことになることもしばしば。

マッサージ風呂はご存じでしょうか?身を横たえるような感じの浴槽です。
気泡やジェツトが吹き出ています。
現場で適当に傾斜を作っていくので、できあがったらジェットが身体に当たらない。
人間の方が身をくねらせて、吹き出しに当たるように調節しなくてはなりません。
笑い話のようですが、実際にあった話です。うちの風呂では、ありませんが。
今は、既製の外枠をはめ込むのでそういうことは、なくなりました。

その他にも、

ドアチェックの取り付け位置が、逆でドアを開けることが出来ない。

出来上がったら柱と柱の間隔が狭すぎて、1階の駐車場に車が停められない。

修理の際、配管が邪魔でポンプが取り出せない。

クーラーを取り替えようしたら、壁を壊さないと出来ない。

冗談ではなく、本当の話です。