鯉の湯と同潤会松江普通住宅

テジ@東京です。神田温泉深夜のお掃除参加の皆様、大変お疲れ様でした。参加できなくてごめんなさい。東京の銭湯のあるまちレポートもさぼっててすみません。
久々に、今回は東京の東の方まで出かけてきました。

都バスに「同潤会」というバス停があるのはご存じの方が多いかもしれません。新小29、新小30系統などが通る江戸川区のバス停ですが、実際に降りてみると、生鮮食品の市場などがにぎわう商店街にあります。そしてこの商店街の通りは「同潤会通り」と呼ばれています。

この同潤会通りから横道にはいったところに、鯉の湯があります。立派な和風の建物で、内部も今では珍しくなった番台、縁側と庭、浴室の富士の絵など伝統的な銭湯イメージにあふれています。

お湯は熱いほうです。お父さんに連れられてやってきた男の子、銭湯初めてでしょうか、お父さんがカランを指さして、こっちがお水、こっちはお湯と教えています。お父さんに洗ってもらってから、いよいよ湯船に。そうっと足先を入れたけど、すごく熱そうです。どこかのおじいさんが、にこにこしながらお水で少し埋めてあげて、男の子もニッと笑って湯船に。

さて、バス停「同潤会」は、関東大震災後、今の同潤会通りの両側に、被災者向けの復興住宅として建設された「同潤会松江普通住宅」が名前の由来です。
砂町、赤羽住宅等は扇型の街区ですが、松江住宅は、目抜き通りの両側に整然と並ぶ街区パターンです。区域面積、戸数など、当初は赤羽住宅を上回る規模がありましたが、区画道路の幅が比較的広かったためか、住宅の建替えがかなり進んでいます。

このため、往時のにぎわいを伝える商店街と、整然とした街区のほかに面影は見つけにくいのですが、1棟だけ、4連戸の木造住宅が残されています。玄関が一か所改築されているのと、壁の一部にトタンが張られている以外は原形を保っているようです。

他の普通住宅地にも連戸住宅はわずかに残っているのですが、私が見た範囲では、どこもいずれかの住戸が改築されています。関東大震災から80年たった今も、同潤会の復興住宅の原形をとどめている松江の住宅は貴重な存在かもしれません。

鯉の湯 東京都江戸川区中央2−15−3 新小岩駅からバス同潤会下車 営業時間 14:30〜24:00 定休日 第2、4金曜