中延温泉松の湯、福井湯、荏原の耕地整理と同潤会荏原普通住宅

東京へ戻って銭湯のあるまちレポート、今回は東急大井町線(都営地下鉄浅草線)中延駅から東へ、第2京浜国道を渡ってすぐのところに、中延温泉松の湯があります。立派な和風の建物で、富士山と南伊豆の海の絵と、伝統的な東京の銭湯ですが、脱衣場、浴室ともきれいで手入れも行き届いていて、気持ちいいです。

ここが温泉と名乗っているのは本当の温泉で、保健所の証明も掲示されています。白湯だけでなく、シャワーも含め全部温泉を使っているそうです。冬場ありがたいのは、円筒形の仕切りの中に立つと周囲からジェットが出る仕組み、肩や腰が気持ちいー。駅や商店街に近く、家族連れの姿も見えて、活気にあふれている銭湯でした。

中延温泉松の湯 品川区戸越6-23-15 15:00−25:00 月曜お休み 東急大井町線中延駅東へ徒歩5分、都営浅草線中延駅すぐ

今度は中延駅からスキップロードを北上、池上線の荏原中延駅を越えると商店街はサンモールえばらとなります。アールデコといえば大げさですが、ちょっとレトロモダンな昭和の香りが漂う建物も残っています。

商店街の北端で都道(26号線通り)に出ますが、この道路は二十三区の西側を環状に走る、通称六.五環、重要だけど未完成の道路です。このあたりでは戸越公園付近から目黒通りの目黒郵便局付近までできていますが、それは戦前に耕地整理や区画整理で住宅地を整備する時に、バスなどのために土地を出しあって整備した部分が多いようです。

この付近には、関東大震災の復興住宅「同潤会荏原普通住宅」もありますが、同潤会は耕地整理組合から整理後の土地の一部を取得したのでしょう、正方形の街区が広がる中に、斜めに配置された区画街路にその名残があるように思います。見落としてしまいそうな横道に何気なく入ると、古い木造住宅がひっそりたたずみ、急に時の流れが緩やかになったような錯覚に襲われます。(写真はイメージです。)

福井湯は26号線通りに面して建っていますが、商店街ほどの人通りはなく、どちらかというと住宅地の銭湯です。近くの同潤会住宅からも、たくさんの方が通われたのではないでしょうか。
新しくて、脱衣場、山と湖のタイル絵の浴室とも広々としています。浴槽はシンプルで、お客さんも少ない時間帯だったためか、お湯がものすごく熱かったです。

福井湯 品川区平塚3−13−10 16:00−23:00 金曜お休み 東急池上線荏原中延駅北5分