新宿御苑と渋谷川復活、玉川上水の水番所近くの蓬莱湯

春の小川のお話の続きです。
新宿御苑はJR信濃町駅とメトロ新宿御苑駅の間に広がる公園で、かつて多摩川の水を江戸に引いていた玉川上水は、現在の新宿御苑の北側を流れていました。新宿御苑の北東角(水道局営業所の前!)には、四ツ谷大木戸の水番所があって、ここで玉川上水から分流した水が渋谷川の源流の一つになっていました。

玉川上水は今では水道に役目を譲ったので、渋谷川を含め、新宿御苑の周囲に水路を見ることができません。しかし、最近は玉川上水や渋谷川の他の場所でも流れを復活させているプロジェクトが始まっているのはたいへんうれしいことです。下水道の処理水を放流することが多いのですが、新宿御苑のせせらぎ復活は御苑地下を抜けている道路トンネルの湧水を活用できるようです。

源流に銭湯ありのことわざ?通り、水番所のあった四谷四丁目交差点のすぐ近くに蓬莱湯はあります。
東京伝統の和風建築で、漆喰の壁面に鏝で描かれたような波模様が珍しく、暖簾をくぐると、男湯、女湯と書かれた擦りガラス、曲面を描く傘入れなどにも期待が高まります。

期待を裏切らず、内部はまさに昭和の世界、黒光りする番台、格天井はもちろん、普通の倍くらいありそうな横長の木の脱衣箱、浴室の扉付近の床に敷かれた丸や四角のタイル、ペンキを塗っていない木の柱などなどなど、写真でお見せできないのが残念です。
壁絵は珍しい赤富士です。浴槽は半円形で古いタイル張り、片方は深く、もう片方は浅くなっています。そのほかシャワーなどもいたってシンプルです。全体に古びた印象ですが、むしろそのレトロな雰囲気を楽しめる銭湯です。

蓬莱湯 新宿区四谷四丁目13 営業時間 15:00〜24:00 金曜お休み メトロ丸の内線四ツ谷三丁目から5分、新宿御苑からもすぐです。