阿佐ヶ谷駅より北の中杉通り、亀の湯

中杉通りの阿佐ヶ谷駅から北も欅並木になっていますが、まだ駅の南側ほど大きくなっていないような気がします。これは同じ中杉通りでも、成り立ちが違うからかもしれません。戦前のグリーンベルト計画から戦争中の建物疎開までは同じだと思うのですが、戦後沿線の人々の希望でそのまま道路になった南側に対して、北側は一度民有地に戻して再度買収したらしいのです。その分欅を植えた時期も新しくてまだ南側のように緑のトンネルというほどにはなっていません。
北側はイタリアンのお店や、洋物の雑貨屋さんなど、落ち着いたお店が並んで、庶民派の活気のある南側とは違う魅力になっています。

中杉通り(旧中杉通りの方が分かりやすいですが)から二高通りに左折し、ちょっと先を北側に入ると、亀の湯があります。大きな三角形の屋根です。和風建築で脱衣場は平らな天井。浴室は高くて幅も広い湯気抜きがある伝統的な構造ですが、ちょっとユニークなところもあります。それはペンキ絵の上端を横に走る軒飾りのような装飾帯、釜場への扉の上のアーチなど。
ペンキ絵は富士山と堰のある渓谷で、発電所のような建物も描かれていますが、どこの川でしょうか。ペンキ絵の下の熱帯魚のモザイクタイル、男女の境にはクジャクと花のモザイクタイルと充実。
カランだけの低い島カランがあり、窓側も鏡やシャワーが小さめで、その分だけ窓の上下が高くなっています。温度は東京の西側にしてはぬるくはなく、いい気持です。
亀の湯 杉並区本天沼1−2−8 15:30〜24:00 土曜お休み JR阿佐ヶ谷駅 徒歩10分