送電線に反対するために行った耕地整理の碑がある下神明天祖神社、品川区二葉の大盛湯

伝統の和風建築で、唐破風の玄関、千鳥破風と二重の破風の装飾がすばらしい。二羽の鶴の懸魚が見事で、その奥、妻にも装飾があります。これは波模様でしょうか。
たたきの正面に傘立てがあり、左右から入ってフロントです。
天井は格天井ですが、碁盤の目ではなく、一部変則的な模様になっている、凝ったもの。木が輝いています。坪庭も広く、手前を縁側が巡っています。そのガラスの引き戸の鍵、戸を閉めて重なった穴に鍵を差し込んでねじを回すもの、昔はよくあったけど今は見かけなくなりましたね。壁には大きな扇風機が。番台ではないものの脱衣場は古き良き時代を伝えています。
浴槽の背景は壁ではなくガラスで溶岩の築山が見えます。男女の境の部分に湖畔のタイル絵です。湯温はちょうどいいです。

大盛湯 品川区二葉2−4−4 15:00〜23:00 金曜お休み 東急大井町線 下神明駅 徒歩7分

近くの天祖神社には平塚村の耕地整理の碑が立っています。その碑文がおもしろく、電力会社の送電線計画は宅地化の障害になるので、送電線に反対するため、耕地整理事業を行ったと刻まれているのです。土地が換地で動く際に、電力会社が送電線の位置に当たる土地を買収(地上権を設定)していても、どこかへ移動してしまうという、耕地整理や土地区画整理事業の仕組みをうまく使ったわけです。(地上権も従前地の移動に伴って位置が移ります。)
逆に鉄道は住宅地にとって必要と思ったらしく、電鉄会社の買収地は組合が協力して予定路線上に集めてくるようなこともやられたようです。