三菱重工丸子製作所への貨物線、大田区鵜の木の第二栗の湯

第二栗の湯は先日廃業された鵜の木天然温泉のすぐ近くです。ビルですが、天井は高く脱衣場、浴室とも圧迫感はありません。サウナが脱衣場の中に張り出してきていて、瓦屋根風になっています。浴室にペンキ絵はありませんが、女湯との境にはモダンガールのタイルです。
浴槽につかるとふと目の端に水浴する女性のようなタイル絵が・・・鳩の街の松の湯以外にも発見?と近づくと、十和田湖畔の銅像(高村光太郎の「乙女の像」)の絵でした。さらにその横の壁は大阪には多いというガラスブロックです。が、男女の境ではなく、外に面した壁です。そのほか浴室と脱衣場の境にステンドグラスがあるなど、明るく、きれいで気持ちのいい銭湯です。
第二栗の湯 大田区鵜の木2−46−1 15:30〜24:30 金曜お休み 東急目蒲線鵜の木駅から5分

第二栗の湯からすぐの多摩川の堤防へ出ると、高層住宅が川沿いに並んでいるのが見えます。これらの住宅は三菱自動車、日本精工の工場跡地に建てられたものです。マンションの一角、多摩川の堤防に面して工場があったことを記した碑が立っています。
三菱丸子製作所はもともとトラックの工場だったようですが、戦争中は陸軍の戦車の生産、戦後も米軍戦車の修理工場になっていました。今この住宅地はスーパー堤防になっていて、なだらかな斜面を登っていくとその案内板もあります。ということは、以前は堤防の勾配がもっと急で、堤防から見下ろす低い位置に工場はあったのかもしれません。そんな歴史は想像できないほど、きれいな住宅地と桜の木は平和な光景をみせてくれます。
三菱の工場へは、戦後国鉄品鶴(貨物)線に設けた丸子信号場から分岐した引き込み線があったということなので、堤防をたどっていくと、以前お伝えした花の湯のあたり、沼部駅のすぐ近くに目蒲線を跨いでいた鉄橋の橋台が残ってました。