佐伯佑三のアトリエと彼の絵に残る銭湯、福の湯

パリの情景を描き、パリで亡くなった画家、佐伯佑三のアトリエが新宿区立の公園となって保存されています。下落合駅から北へ、聖母病院の先を標識に従って西へ入る本当に細い道の奥にあります。一度目は改修中で、再訪したところ、ボランティアの方に親切に案内していただき、またいろいろと楽しいお話を聞かせていただきました。佐伯祐三の奥様のお話、中村彝アトリエのことなど、暑さを忘れるひと時でした。どうもありがとうございました。(中村彝アトリエを新宿区が保存するという記事を見ました。実現すればいいですね。)
パリの下町の絵のイメージが強い佐伯祐三ですが、アトリエのあった下落合の風景も残しています。佐伯祐三はもっと武蔵野の面影を残す風景が気に入ったようで、三軒ほどの銭湯の煙突も描かれているのは、銭湯ファンとしてはうれしいことですね。

その一軒、現存する福の湯は、当時の住居地図にも載っており、絵の位置関係がはっきりしています。佐伯アトリエからは東の方、聖母病院から東側へ細道を入ったところにあります。一見ビルのようで、下見板張りの木造のようで、実は中へ入ると伝統的な和風の格天井という建物です。窓は木枠で上下するタイプに、壁は一部煉瓦風タイルに、和風の構造のまま洋館風に改装してあるようです。浴室も、伝統的な湯気抜きの天井がある構造で内装を欧風にしてあり、これが意外にマッチしています。カランが横に並んで、浴槽は男女の境の側にあって、ジェットなどが充実し、温度はかなり高め。年齢層は子供からおじいちゃんまで多彩でした。
福の湯 新宿区下落合4−25−10 16:00〜24:00 月曜お休み 西武新宿線下落合駅 徒歩7分