面影橋電停と早稲田の金泉湯

都電荒川線の始発早稲田の次に面影橋という何かいわれのありそうな名前の停留所があります。神田川に架かる面影橋の由来ははっきりしないのですが、早稲田を発車、神田川を右手に見て通りを走ってきた電車は面影橋の先で急に右へ曲がって神田川を渡り、池袋の高層ビルを正面に坂を登っていきます。都電の路線がたくさんあったころは、飯田橋、大曲とずっと神田川に沿ってやってきた15系統が面影橋から明治通りを左折して高田馬場へ向かっていたようです。面影橋の停留所から南へ細道を抜けて早稲田通りを東へ行ったところにあったと思われる「神田川」の安兵衛湯は、今はもうみあたりませんが、学生の多いこの付近は、今もいくつか銭湯があります。

少し高田馬場寄りから斜めに入ると、すぐに堂々とした和風の金泉湯が見えてきます。側面にも破風があるのが目を引きます。縣魚など破風の飾りも立派です。脱衣場は高い格天井、フロント方式ですがガラス窓の向こうに広い庭があり池や灯籠が眺められます。
内部は湯気抜きのある伝統的な構造を近代的に改装してあります。浴槽背景はペンキ絵ではなく、竹のような縦長、円筒のタイルで、大きな鷺のタイル絵が何枚か貼ってあります。浴槽に入ってみると、ちょうどいい加減の温度、ふと見上げると男女境の柱は伝統的な作りなのですが、境の壁そのものは位置がずれていて、男湯側が広くなっています。ちょっと違和感がありますが、早稲田の近くなので男子学生風の若い人が多く、お客さんの数が男女偏っているのでしょうか。早稲田通りと明治通りの交差点にある副都心線の西早稲田駅からも近いです。
金泉湯 新宿区西早稲田2-16-20 14:30〜24:00 月曜お休み JR高田馬場から10分