新宿区落合の目白文化村と梅の湯

中井駅の北側いったいの丘陵地は、箱根土地という会社が開いた目白文化村といわれる住宅地だったそうです。その案内があるあたりから三の坂を上ると階段の途中に落ち着いた和館の林芙美子記念館があります。紅葉の季節、受付の方が親切に教えていただいた小道を上がると、瓦屋根と紅葉がきれいでした。
坂を上がると中落合四丁目、青い屋根の大きな洋館は石橋湛山元首相のお屋敷です。尾根にそって西の方にある深い屋根の邸宅は画家の金山平三のアトリエだったということ。このあたりにはいいデザインの和館、洋館が点在し、目白文化村の頃のイメージを想像することができます。

山手通りを東へ渡り、南へ西武線と妙正寺川を越えて小高い段丘に上がったところに梅の湯がありますが、ちょっとわかりにくく、中井駅からだと大江戸線の駅の前から東へ入る道を道なりに行くと右手にあります。伝統的な和風の建物を改築してあり、天井などももとは格子天井だったかもしれません。浴槽の背景に絵はありませんが、サイドのカランの上に横長の風景タイル絵。よくある細密画ではなく、印象派のようなタッチで、少し離れた方がリアルに見えます。とにかくすごく混んでいて、すべてのカランをお客さんが使っている状態。そのためか、洗い終わったら道具を持ってすぐに立ち上がる、カランをさがす人に声をかけるなど、お客さん相互の譲り合いがあちこちで見られるのは心和む光景です。
梅の湯 新宿区上落合2−6−4 15:00〜24:00 月曜お休み 西武新宿線中井駅徒歩5分