日本橋の世界湯、関東大震災の復興小学校阪本小 十思小

人形町駅を降りると甘酒横丁の看板、世界湯は少し離れていますがやはり居酒屋など点在するあたりにあります。近くには震災復興三大公園のひとつ、浜町公園もあります。
宮造りではないもののレトロな雰囲気を漂わせており、番台が少し前に張り出している脱衣場は高い格子の平天井、脱衣場と浴室の境が全面ガラス戸なので明るく感じます。浴室中央の島カランは極端に高さが低く、膝ぐらいまでなので、向かい側の人の全身が見えています。浴槽の背景は富士山が低く男湯、女湯にまたがっています。その下でみなさんこちらを向いて瞑想中、と見えたのは、ものすごくお湯が熱いのをじっとがまん中だったのでした。とにかく熱い!
世界湯 中央区日本橋人形町2-17-2 15:00-23:30 月曜お休み 日比谷線人形町駅他から5分

関東大震災の復興は、ちょうどわが国の都市計画がスタートする時期に重なっていて、土地区画整理事業、都市公園の整備、橋梁のデザイン、同潤会による住宅分譲など、さまざまなまちづくりの取り組みが始まりました。震災復興小学校もその一つです。復興小学校は耐火性を重視してRC造で、建物自体は四角いのですが、アーチ型の窓など、デザインには工夫がされているものが多数あります。全部ではありませんが公園を隣接させているのも特徴です。日本橋にある阪本小学校、旧十思小学校を見ると、教育に力を入れた日本の近代化の姿を感じられます。

阪本小学校(写真)は現役で、タッチの差で日本最初の小学校ではなかったようですが、明治6年に第一大学区第一中学区第一番官立小学阪本学校として開校した歴史ある小学校だそうです。隣接した公園には震災以前からあった公園を改装した由来が書かれています。
旧十思小学校は残念ながら現役の小学校ではありませんが、角にあるカーブした玄関はじめ、すばらしい建物デザインです。隣接する十思公園は小伝馬町牢屋敷があった場所で、石町時の鐘を移してきて鐘楼に保存しています。この時の鐘は江戸最古で1712年製といいますから来年300年を迎えます。