王子から板橋、軽便鉄道跡をたどって、さくら湯へ

王子と東十条の間で東北線を横切る軽便鉄道の跡は、戦前この付近にたくさんあった陸軍の工場間で貨物を運ぶ鉄道でした。JR東北線の西側にあるちんちん山公園から西へ、その跡をたどって行きましょう。まず、十条台付近で図書館や自衛隊の中を通ります。北区中央公園文化センターや煉瓦の図書館は、かつて銃や信管を製造していた東京第一陸軍造兵廠の建物でした。埼京線を横断していたのは北療育医療センター南側の位置で、踏切から橋台が残っているのが見えます。

このあたりで一つ、銭湯に入りたいものですが、この北にあって以前紹介した久保の湯は休業になってしまったので、このまま軽便跡を追っていきましょう。軽便跡は愛誠病院の東側を南下し、今の金沢橋のあたりで石神井川を南へ渡り、板橋五中と加賀公園の間を西進していました。軽便鉄道の目的地である板橋火薬製造所(東京第二陸軍造兵廠)は、石神井川の南北に広がり、その西側は、板橋区加賀と板橋三丁目、仲宿の境、加賀小学校、東板橋公園あたりまでだったようです。
さくら湯のすぐ近くにも煉瓦の塀があります。積み方が長手で煉瓦構造の積み方ではないのはちょっと気になりますが、これも火薬製造所の痕跡でしょうか。

この近くにあるさくら湯は、ビルの一階で近代的な玄関です。ビルの一階なので天井が低く湯気がこもりがち、ちょっとぬるめ、ペンキ絵とかはなくタイルのみです。週2日お休みがあり、終業時間も21時30分と早いのですが、中は掃除も行き届いていて、まだかんばるぞと感じられました。
さくら湯 板橋区板橋3-39-12 16:00〜21:30 月、木曜日お休み 三田線板橋区役所前から5分