都電が道路を走る王子、酒類総合研究所の赤レンガと飛鳥山温泉

桜の季節は終わってしまいましたが、桜の名所北区王子の飛鳥山からの話題です。
王子駅から早稲田に向かう荒川線の電車は、飛鳥山公園に沿って曲がりながら坂を上がって行きます。荒川線は専用軌道の部分が多いのですが、王子から飛鳥山の間は、道路の中央を車といっしょに走る併用軌道の区間です。道路が混むと、どうしてもこのあたりで電車が遅延してしまいますが、路面電車らしさを少しの間味わえるところでもあります。右手には石神井川にかかる音無橋という立派なコンクリートアーチ橋があり、さらに川沿いに行って印刷局の住宅のところを左へ入ると、赤煉瓦の工場らしい建物が見えてきます。
これは酒類総合研究所の建物。元は醸造試験所といい、本体が東広島市へ移転した後も、酒造工場として保存活用されています。入ることはできませんが、道路からも美しい煉瓦建築の姿を見ることができます。さすがに横浜赤レンガ倉庫などを設計した巨匠妻木頼黄(つまきよりなか)の作品です。

酒類総合研究所を更に進み、明治通りに出て馬場商店街の入り口に飛鳥山温泉があります。新しいビルの銭湯です。ロビー、浴室、浴槽もゆったり広くて落ち着きます。ペンキ絵とかはありませんが、タイルが清潔で明るい感じです。さらに奥の外にはかなり広い露天風呂もあります。実際には天窓がある程度で、寒くなくていいのですが、竹で囲ったり、上によしずを渡してあるので、気分は十分露天です。
飛鳥山温泉から明治通りを歩道橋で渡ると、滝野川一丁目の電停まですぐです。
飛鳥山温泉 北区滝野川2-43-2 14:30〜25:30(日曜は12:30〜) 火曜お休み 都電飛鳥山、滝野川一丁目から5分、王子駅からも10分くらい